こんにちは!
いつもこちらのブログを読んでいただきありがとうございます。
NABRA Chase Fishing GONTA です。
さて、今回は結構久々のタックル考察記事です。
★最新のリールの情報も踏まえて、記事末尾に一部追記を行いました。
この記事を書こうと思ったのは、コメントにてソルトベイトフィネスのタックルで迷っておられるというご質問をいただいたのがきっかけです。
私もこちらの記事で、基本的に使っているタックルは記載していますが、なかなか都度細かく使用感にまで触れることはできていません。
また、新しいタックルを導入した際には、一定使用後にインプレも掲載していますが、その後どうなの?という話しがあるのも事実です。
ということで、今回は主にメバリングやチニングなどで利用するソルトでのベイトフィネスタックルについて、特にリールに着目して書いてみたいと思います。
タックルの主役は誰?
まず、ソルトベイトフィネスリールについて書く前に、タックスそのものについて書いておきたいと思います。
タックルにおいて、主役はロッドでしょうか?リールでしょうか?それとも実際に魚にアピールするルアーでしょうか?
私の私見ですが、その答えは全てではないかと思います。
そして、その複数の主役それぞれのバランスが一番大事という点を強く意識しています。
どんなに高性能なベイトフィネスリールを使っても、カッチンカッチンの棒のようなロッドにセットしてはその性能は1/100も引き出せないと思います。
また、その逆もしかりで、どんなに高価なベイトフィネス用ロッドを調達しても、リールがライトリグに対応していなければ飛距離も出せませんし、快適な釣りができる訳もありません。
更にそのバランスはラインやルアーにも当てはまります。
超軽量リグを使おうとしているのに、太いラインでは釣りになりません。
飛距離も出ませんし感度も確保できません。
スピニングタックルに至っては、ラインの種類(ナイロン、フロロカーボン、PE)の違いによってもロッドとの相性が非常に大きく出るので、ロッドとのバランスを意識していないと思ったような釣りができないこともあり得ます。
ガイドの大きさと使うラインのバランスがスピニングタックルにおいては重要ですね。
エステルラインを敢えて使ってこなかったタケ師匠も、先般、最先端のアジングロッドを買ったのを契機に、ソアレ500にエステルラインを巻いていました。
最近のアジングロッドにはマイクロガイドがセットされているものが多いので、エステルラインやPEラインなどのしなやかなラインとの相性が良いのは間違いないと思います。
使いやすさ・バランスを意識して詰めていった結果ですね。
ということで、個々のお話しをする前に全体のバランスについて書かせてもらいました。
ロープロ?丸型?好みの問題?
さて、本題のリールについてですが、従来、ベイトフィネス用のリールと言えばロープロファイルのリールがほとんどと言うか全てでした。
しかし、昨年にシマノさんから丸型リール初のベイトフィネス仕様のリールがリリースされました。
【シマノ 17カルカッタコンクエスト BFS】ですね。
コンクエストと言えば、堅牢な構造が売り物で、その使用目的としては巻物やビッグベイトなどのリールに負荷がかかる釣りに適しているイメージのリールでした。
しかし、そこに敢えてベイトフィネス用のモデルとして投入してきたのには驚きましたが、驚き以上に見た目の魅力もあり飛びついて購入したのも事実です。
実際に使ってみると、ミクロモジュールギアを搭載したこのリールの巻き心地は秀逸以外にコメントできないほどでしたし、『BFS』と銘打っているだけあり、従来の丸形リールのイメージをひっくり返す軽量リグのキャスト性能を発揮してくれました。
しかし、堅牢が故にやはり重さの面では樹脂素材系のロープロファイルリールには叶わないのが事実です。
重さ以外の機能・性能では、ほぼライバル機種となるベイトフィネスリールに遜色無い状態でしたが、素材と構造からくる重さだけは改善に限界があるところでした。
ここで問題になるのがロッドとのバランスです。
軽いということがどこまで高い必要性を持つか?ということです。
ブログのご質問にもあったのですが、【Fishman Beams inte 7.9L】などの重めのロッドなどを利用される場合はバランスは非常に良いと思うのですが、その他の軽いベイトフィネスリールとの相性を考えると、少々問題有りというところです。
私が現在愛用している【リップルフィッシャー リアルクレセント ベイトモデル RC-67】などはロッド自身が非常に軽いので、思いリールを合わせてしまうとリールを持っている感がハンパなく出てしまいます。
その他のベイトフィネスロッドも、ほとんどが軽いものがメインではないでしょうか?
そうなってくると、【シマノ 16アルデバラン BFS】や、【ABU Revo ALC BF7】などの100g台前半のリールの方が全体のバランスは抜群に良くなります。
結果として、キャスト時のバランスが良くなるので、長時間疲れずに投げ続けられますし、シングルハンドキャストも楽にできるのでキャスト精度も高まったりします。
と言うことで、サブタイトルの話に戻るとすると、丸形が良いとかロープロが良いとか、シマノが良いとかABUが良いとか、そんな具体的で特化した話しではなく、バランスを意識さえすれば後は好みの問題で選べばよいかと思います。
釣り具はあくまでも趣味の道具。
使いやすさなどを突き詰めるのは大事な話しですが、それだけが全てというものでも無いのが釣り具の面白いところでもあり、難しいところでもあります。
要は正解が無いというところですね。
各メーカーさんは絶対的な話しを書かれますが、それはあくまでもマーケティング的な話しであって、実際に釣り具を使っている立ち位置の人間からすると、絶対は無いことは、それはそれで間違い無い事実だと思っています。
論理的に良否の判断材料を踏まえて認識しつつ、最後の感覚の話しは個人の好みで決めるのが正解!
そんな感じだと思います。
おまけ サードパーティの可能性
最後に、少しおまけ話しを書いておきたいと思います。
リールについては、ロッド以上に提供企業が少ないと思います。
シマノやダイワなど、国産企業で素晴らしい製品をリリースされている企業が多いので、日本人は恵まれていると思いますが、それでもロッドよりも選択肢が少ないのは少し残念な事実です。
しかし、リールのパーツについてはより多くの企業がサードパーティとしていろんな製品をリリースされています。
簡単に導入できるアフターパーツとしてはハンドルなどが挙げられますが、私が注目するのはスプールです。
スピニングリールのカスタムスプールとしては『ヘッジホッグスタジオ』さんなどが有名ですが、ベイトリールのカスタムスプールとしては『Office ZPI』さんなどの老舗メーカーさんに加えて、『Avail』さんなどもいろいろなリールにマッチするカスタムスプールをリリースされています。
昔は、本当にスプールの素材だけを軽量化して性能アップを図るものが多かったのですが、最近ではブレーキシステムの変更も含めたパーツとセット売りされていたります。
遠心力系のブレーキは、風などのキャスト阻害要因が無い場合にはルアーの飛距離を稼ぐのにすぐれたシステムだと思いますが、逆風対策として臨機応変にブレーキ力を変えることができるマグネットブレーキ系の方が万人に優しいシステムかと思います。
神の手ともいうべきサミング力があれば、どんなブレーキシステムでも良いのかもしれませんが、できるだけオートマチックにストレスなく釣りがしたいとなると、常にブレーキ力が働くマグネットブレーキの方がコントロールはし易いと思います。
マグネットブレーキと言っても、昔からあるダイワのマグフォースVなどはスプール回転に応じてマグネット部の飛び出る幅が変わるので、実質ハイブリッド系と言えますし、シマノの最新のブレーキシステムのFTBもマグネットブレーキですが、スプール回転に応じてブレーキ力が変わるのでハイブリット系です。
進化したブレーキはやはり使いやすさでは一歩上のレベルの使いやすさを提供してくれます。
話しが少しソレましたが、メーカー側が進化させたブレーキシステムにおいて、サードパーティ製品でさらにその性能を引き出すべくチューニングされたものが存在しているところに私は注目しています。
メーカー純正となると、より多くのアングラーに対応すべく、壊れにくかったり変形しにくかったりする部分を残さざるを得ないのですが、サードパーティの製品では『そこまでやるか?』と思わせるような突き詰めたチューニングが施された製品が存在します。
素材についても、メーカー純正で装備しようとすると、あまり高価な素材は投入し辛いのが現状。
そこまで求めていない利用者は手を出さなくなってしまいます。
しかし、サードパーティ製品であれば、特価した性能や価格に納得した人だけが購入するので、とことん仕様を詰めた製品を企画・製造することも可能です。
もちろん、突き詰めたパーツを作るにあたっては大手メーカーに引けを取らない技術力や、テストにかける費用負担を乗り越える力も必要になってきますし、その費用が製品に転嫁されるのも当然のこど。
それでも試してみたいと思えるアングラーが居ないと成り立たない市場とも言えますが、そこは趣味の世界なので、ちゃんとそういう市場を支える購買者が居るんですね。
実際、私も長きに亘っていろいろと使ってきていますが、思ったほど性能向上を体感できないモノもありますし、ビックリするくらいの純正品との性能差を持っているモノもあったりします。
そして、フィネススタイルにおいては繊細であるが故に、そのちょっとした差が実釣では大きな差となってアングラーにフィードバックされる割合が大きいと思います。
私が最近愛用している【KTF フィネススプール KAHEN 】などは、ABUのマグネットブレーキモデルに対応させたスプールなのですが、これはノーマルでは動く機能がないブレーキユニット(スプール側)に対して、スプールの回転数(回転速度)に応じてプレーキユニットが可動するという新たな仕組が組み込まれた製品です。
キャスト直後のスプール回転数が高い時には、ブレーキユニットがリール本体側に装着されているマグネット(ネオジム)に少し近づくことで高いブレーキ力を確保し、スプール回転数が落ちてくるキャスト後半になると、ブレーキユニットがマグネットから離れてブレーキ力が減り、結果として後半部での飛距離の伸びを実現するシステムが採用されています。
<出展:キャリル HP>
また、【KTF フィネススプール KAHEN】は構造面でも独自の工夫が凝らされていますが、KTFでは素材だけでも究極の使い勝手を追及してつくられている製品も出ています。
【シマノ 16アルデバラン BFS】用のスプールですが、構造的には何も新しいものはありませんが、スプールの慣性力を極限まで低くする為に素材等々で突き詰めてオリジナル製品としてリリースされています。
そんなに違いがあるのか?と思われる方もおられるかもしれませんが、実際に使ってみるとその違いは歴然としており、実感できるレベルの差があります。
お値段的にも、メーカー純正のスプールパーツ売りの値段とほぼ変わらないので、かなり価格面でも努力されていることを感じます。
以上、具体的に紹介したのはあくまで一例ですが、サードパーティ製品にはそれぞれにフィッシングシーンを想定して突出した性能を発揮する仕組みが盛り込まれている製品が多いので、リールトータルで見た時には見落としてはいけないオプション機能だと思います。
タックル考察 ベイトフィネス用リール まとめ
と言うことで、今回はコメントからご質問いただいた話しの延長で書いてみました。
タックル選びにおいては、こちらのブログでも再三に亘り書かせていただいるのが『バランス』です。
個別に見れば素晴らしいロッドやリールでも、組合せを誤るとその性能は発揮されません。
タックルの性能を引き出すのはあくまでもアングラーの役割なのですが、それはある程度バランス面で精査された状態があった上での話しかと思います。
ベイトフィネスリール関連では、アルデバランBFS、カルカッタコンクエストBFS、ABU Revo などについて過去に記事にしていますので、関心を持っていただけた方は、お時間のある時に見ていただければと思います。
そして、性能だけで語れないのも釣り具の特徴だと思います。
リールの形、カラー、そしてメーカー。
タックルの中でもロッドに並んで高価なパーツになるリールなので、しっかりと使い込む為にも、使い込む気になれることがそもそも一番大事だと思います。
これからも釣り具の進化は続くかと思いますが、正直、道具は使ってみないとわからない部分が多いです。
特に、ベイトリールではその要素が強いと思います。
正常進化したタックルについては、今後もいろいろとお付き合いしてみたいと思う今日この頃でした。
最新のベイトフィネスリール事情
こいう追記をしていくと、先々キリが無いとは思いつつ、気付く範囲で過去の記事もアップデートしていきたいと思います。
最新の記事(2020年記載)としても掲載していますが、2020年時点での最新のソルトベイトフィネス用リールとしては【ダイワ 20アルファスAir TW】(以下、20アルファスAir TW)が最強かと思います。
メーカーとしてソルト対応を標榜しており、スティーズAirほど極軽量ルアー特化性能でもないとくると、メバリングにおけるプラッギングや、ボトムロック狙いなどでのボトムワインドなどを守備範囲として見た時に【ダイワ 20アルファスAir TW】は一番使い易いリールではないでしょうか?
【20スティーズAir】と【20アルファスAir TW】はどちらも『KTF開発協力』になっていますので、KTFのKAHENの使用感も意識された仕様になっているかと思われます。
2020年春は新型コロナの影響で市場が混乱していますが、そろそろ出回り始めるのではないでしょうか?