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【PEライン検証】バークレイ NanoFiL COLORED (ナノフィル カラード)

こんにちは!

いつもこちらのブログを読んでいただきありがとうございます。

NABRA Chase Fishing GONTA です。

今回は気になる新製品情報のお話しです。

今後のブログネタとして置いておこうかとも思ったのですが、書きたくなった時が旬ということで、アップします。

釣り具の進化・進歩については、こちらのブログでも度々ネタとして書いているのですが、釣り業界の世界的巨人であるバークレイから新しく進化したラインが発売されています。

それは、編まないPEライン

その名も【バークレイ NanoFiL COLORED (ナノフィル カラード)】
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<出展:バークレイ

編まずにPEラインが成り立つのか?

『PEラインなのに編まなくて成り立つのか?』

と個人的には思ってしまったのですが、ポリエチレン繊維を釣り糸として纏める方法は、編むことだけではないという話しです。

因みに、この商品はバークレイ社の公式ホームページの製品紹介サイトでは“ダイニーマ製”と書かれています。

ダイニーマという言葉は釣り糸において良く聞くキーワードですが、改めてダイニーマとな何か?を調べてみるとアメリカのDMS社の商品名で『高密度ポリエチレンファイバー』のことだそうです。

PEラインの“PE”はポリエチレンの略なのですが、編まれている(使われている)のは高密度のポリエチレンファイバーということになります。

通常のPEラインでは、何本のポリエチレンの繊維を編んでいるかにより、4本ヨリや8本ヨリなどと表示されていますね。

最近では12本ヨリなども、高価ではありますが販売されています。

ダイワの“モアザン 12ブレイド”は、1号の定価が9,000円!!

話しを戻しますが、このポリエチレンの繊維を寄せ集める手段として、【バークレイ NanoFiL COLORED (ナノフィル カラード)】は編まずに作られているのです。

では、どのようにして作られているのか?ですが、このラインは特殊な製法“ユニファイドテクノロジー”により均一に束ねているようです。
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<出展:バークレイ

イメージ図では、数本のラインを束ねているレベルの感じではなく、繊維レベルで束ねている感じですね。

こんな束ね方で、使用に伴うバラけは発生しないのか?と心配になってしまいますが、世界のバークレーが自信をもって市場投入するからには大丈夫なのでしょう。

PEラインと言えば、使用に伴うラインの毛羽立ちが気になるところですが、新製品がどうなのか?使ってみないことにはわかりませんね。

最大の特徴は伸びの少なさ

更に、この製法の違いにより、使い勝手において従来品との違い(メリット)があるようです。

その一つは伸びの少なさ。

一般的なPEラインに比べると伸び率は40%近く低くなるとのことです。
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<出展:バークレイ

この数値だけを見ると、ものすごく伸びなくなったように感じますよね?

しかし、この率表示には、密かに落とし穴があります

そもそも、従来のPEラインがどのくらい伸びているか(伸び率)を具体的に知っている人は少ないのではないでしょうか?

例えば、100mのラインに1.5kgの負荷を掛けた時の伸び率が1%だったとします。

実際に伸びる長さは1mということになり、伸び率が40%改善された新しいラインは60cmくらいの伸びになります。

その差は100mラインを出していて、40cmです。

これくらいの差なら、大したことないと思ってもおかしくないですね。

因みに、身近な釣りで一番飛距離を投げるのがショアジギかと思いますが、ショアジギでメタルジグをフルキャストすると、飛ぶ人なら100m以上飛びますが、ほとんどの人は100m未満でしょう。

シーバスだと、大き目のプラグ(12cm以上)で重心移動システムが搭載されているもので、70mも飛べば最大クラスかと思います。

実際にリールから出ていく長さ(飛距離)が短くなればなるほど、差の実数値は小さくなっていきます。

なので、伸び率が1%程度なら、伸びが減ったことは特筆すべきメリットにはなり得ないのです。

では、伸びないと認識されているPEラインが、実際にはどのくらい伸びているのか?

繊維メーカー大手のゴーセン社さんがWEB上でラインの種類別の伸び率を公開されているので、引用させて頂きました。
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<出展:ゴーセン

PEラインは3%~5%とのことです。

ナイロンラインなど他のラインとは明らかなる伸び率の差が確認できます。

伸び率のMAX値が5%ということは、MAX負荷では、100mラインが出ていると、5mほどもラインは伸びるということになります。

5mと言えば、ルアーロッドで言えば、竿1本以上の長さになります。

すなわち、PEラインでも伸び率が抑えられるということは、かなりの違いが出るということがわかってもらえるかと思います。

実際には、魚を掛けた瞬間に急にラインが伸びる訳ではないので、アタリがわからないとかアワセが効かないというほど大げさな違いにはならないのですが、それでも伸び率が低いことのメリットが大きいことは数値面からもわかってもらえるかと思います。

ただ、メーカーサイドが多様する、『伸び率の低減』だけでは
、判断材料としては足りないと言うこともわかって頂けるかと思います。

ラインの伸び率に関する追加考察

なお、引用させてもらったライン特性表において、他のラインを見てもらいたいのですが、一般的に伸びるラインと認識されているナイロンラインですが、伸び率は23%~25%。

これに対して、伸びが少なく感度が高いと認識されているフロロカーボンラインの伸び率は20%~25%。

負荷の掛かり方により違いはあるものの、MAX伸び率で見ると、ナイロンラインとフロロカーボンラインは変わらないのです。

まさに、ナイロンラインが伸びるというのは迷信です。

では、フロロカーボンラインの方が感度が高いと感じるのは何故か?

それは、フロロカーボンラインの方が比重が高く、水になじみ易いのでラインスラッグが出にくく、結果として高感度を生み出しているのです。

これは今回の話しとは少しズレる話しですが豆知識として記載してみました。

その他の特徴

【バークレイ NanoFiL COLORED (ナノフィル カラード)】は、編み糸ではないという特性から、伸びないという点以外にもいくつか特徴が明記されています。

一つは糸鳴りが大幅に軽減されていること。

これは編み目が無いのでモノフィラメントラインに近い性質になっているということで、この特徴は間違いないメリットかと思います。

スローな釣りではあまり気になりませんが、デイゲームなどで速く巻く釣りでは糸鳴り音も結構気になるものです。

それと、編み糸でないことで水の抵抗が低減されているので、ルアーの着底が早いということ。

これについては、オフショアの釣りで深場まで落とす釣りでは大きなメリットに繋がると思います。

着底が遅くなれば、その分、ラインのスラッグも大きく出ることになりますので、より速くボトムをキープできると言う点、そしてラインが受ける水の抵抗が小さいという点は明らかなメリットになると思います。

他に、ダイレクトな感度という点についても、先に書いた低伸度という性能から引き出されるメリットとして納得ですね。

しかし、最後に過去最高の細さ、という特徴については微妙に疑問が残ります。

細さというのは号数により表されているかと理解していますが、細さが売りということは同じ号数表示で他の製品よりも強度表示(ポンド表示)が大きくないといけません

が、製品スペックを見ると、0.5号だと8lb。1.0号だと12lb。

これを既製品と比べて見てみると、私が愛用する【東レ シーバスPEパワーゲーム®】では0.6号で12lb。1.0号では18lbあります。

他に、強度面で特徴があると認識しているラパラ社のラインを見ると、【ラパラ ラピノバX マルチゲーム】では0.6号で13.9lb、1.0号で20.8lbあります。

これを見て、過去最高の細さという表現が意味するものが私には理解できません。

編み目が無いことでラインのスムーズさが高いのは理解できますが、細さと強さのバランスでは突出した特徴は無いのでは?と感じました。

気になる価格

そして気になる価格です。

元々、ラインの価格面ではバークレイ社のラインは中堅の位置づけかと思います。

ラパラ社ほど安くはないけど、突出して高くもない。

今回の製品の価格表は以下の通り。
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<出展:バークレイ

金額欄だけ見ると高いと感じますが、300m巻きや600m巻きなので、150m巻きに換算するとそれほど高い訳でもない感じです。

【東レ シーバスPEパワーゲーム®】だと、太さにより価格差がありますが、標準的な1.0号だと150m巻きで定価5,800円なので、このクラスのラインよりは安価と言える感じ。

後は実売価格がどのくらいになるか?でしょうか。

しかし、やはりボートなどでのオフショアでの利用を意識しているのか、最低でも300m巻きなので、買ってみて使ったものの、自分に合わないと感じた際にはMAXでも150mほどしか巻かないショアアングラーだと困ったことになります。

マルチユースなのであれば、もう少し巻き量の少ないラインナップも出してみて欲しいと感じました。

最後のポイントはデメリットの不明確さ

ここまでは、メーカーの製品紹介サイトなどから知り得る特徴やメリットを記載してきましたが、最後に私が一番気になっていることを書いてみたいと思います。

それは、この新製品のデメリットがどこにも書かれていないということです。

まぁ、メーカーさんのホームページでデメリットや短所を明記しているところは見たことがないので、バークレーさんだけが特別な訳ではないと言いつつ、今回の製品のように完全に新しい製法にて作られているモノの場合は、従来品と比較する術がユーザー側には一切ありません。

この商品説明を見た釣り友さんは『キャスティングでの釣りには使えないのね?』と認識したようですが、確かに製品特徴が発揮できるフィールドとして、オフショアのバーチカルな釣りのイメージしか書かれていません。

投げる釣りには向かないラインなのか?という点が不明です。

また、冒頭の方でも書きましたが、使用に伴うササクレの出方などはどうなのか?という点も気になります。

PEラインの弱点はダイニーマの痛みによる強度の劣化です。

モノフィラメントと違い、編み糸である(いや、あった)PEラインは、編まれている糸の断裂により著しく強度が落ちるラインなので、目に見えるササクレなどはラインの劣化と判断して痛んだ部分をカットするなどの対応をしますが、新しいラインの特性や注意点が書かれていないのもユーザーとしての不安要素です。

このような特性は、実際に自分で使ってみたり、ユーザーのインプレ情報を見聞きするしかないのですが、使用に伴う注意点などは、是非、メーカーサイドからもデメリットとしてではなく注意点として教えて欲しいものです。

市場投入する前のテスターさん達の声から、必ず確認できる話しだと思います。

以上、PEラインの革命なるか?と気になるバークレイのNEWラインのお話しでした。

■東レ シーバスPEパワーゲーム®
もう、かなり昔にリリースされたラインになりますが、未だに新製品に負けない信頼の性能を発揮してくれるオススメのラインです。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

東レ シーバスPE パワーゲーム 150m 【15〜20lb / 0.8〜1.2号】
価格:3633円(税込、送料別) (2017/6/15時点)

■ラパラ ラピノバX
マイナーチェンジを繰り返しながら、確実に進化しているラインだと感じます。
コスパを考えると、初心者をはじめいろんな方にオススメできるラインです。

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