<補足修正>本記事のまとめの部分で、一部誤った認識で記載してしまったところがあることに気付きましたので修正をさせてもらいました。
こんにちは!
いつもこちらのブログを読んで頂きありがとうございます。
NABRA Chase Fishing です。
さて、今回はアメリカのB.A.S.S.のBASMASTER Eliteシリーズの最終戦のレポートになります。
前回のこちらのブログの記事でも日本勢が好調であることを少し記載していましたが、4名のエリート参戦選手それぞれ非常に良い戦いを見せてくれています。
因みに、伊藤巧選手はX(旧Twitter)にて、今年のシーズンが不調であった為に参戦を中止しようか迷ったことをつぶやかれていました。
しかし、途中で諦めることなく参戦を継続したことで、後半戦のスモールマウス戦にて劇的な追い上げを実現することとなってます。
やはり”釣りは諦めたらアカン”これに限りますね。
では、今年のEliteシリーズの総括となる最終戦のレポート、お時間のある時に読んで頂ければ幸いです。
St.ローレンスリバーは北部のスモールマウス戦
では、まずトーナメントフィールドのチェックからやっていきたいと思います。
セント・ローレンスリバーはニューヨーク州と言うことで、前回のレイク・シャンプレインと近しいロケーションとなります。
まぁ、前戦からの2週連続の試合となるので、近くないと選手にも負担がかかり過ぎてしまいますしね。
五大胡から流れ出し、カナダのオンタリオ州とニューヨーク州の国境を形成している川で、ニューヨーク州を流れるのは上流部となり、最終的に大西洋のセントローレンス湾に流れ込んでいる川となります。
そして、北部のフィールドなので試合のメインターゲットは低水温に強いスモールマウスバスということになります。
伊藤選手もビッグなスモールマウスを釣っています。
しかし、ラージマウスで揃えてくる選手もおり、ウェイト的に重いラージマウスを狙うという戦略もアリという面白いフィールドですね。
また、大会中の天候については雨を中心に悪天候が多かったようで、気温的には30℃前後というところでしょうか。
日本と比べれば明らかに涼しいことがわかります。
YouTubeでも既に本戦の動画のTopicがアップされていますが、レインウェアなのか防寒ウェアなのか?と思ってしまうくらいでした。
以上がフィールドチェックになります。
では、大会本戦の内容を見ていきたいと思います。
大会初日はキムケンさんが躍進
まず、大会初日をリードしたのはルーキーイヤーのブライアント・スミス選手。
見事なサイズのスモールマウスで5本を揃え、29lb5ozというかなりのハイウェイトを叩き出しています。
アメリカのフィールドのポテンシャルを思い知らされるところですね。
また、ラージマウスバスで揃えてきている選手もいますが、試合の順位としてはラージマウスバスは上位に絡むキーとはならなかったようです。
まぁ、これだけビッグなスモールマウスが釣れるのであれば、当然のことかも知れません。
そして、日本人選手のそれぞれの成績ですが、日本人TOPでスタートしたのはキムケンさんこと木村健太選手。
25lb12ozと言うハイウェイトにて4位で初日を終えています。
前回のレイク・シャンプレイン戦では23lb~25lbがTOPウェイトラインであったことを考えると、セント・ローレンスリバーのスモールマウスバスのポテンシャルが高いことを裏付けています。
また、他の日本人選手もそれぞれ活躍されています。
伊藤巧選手が24lb14ozで9位タイ。
スモール戦をきっかけに、完全復活と言っても過言ではないかと思います。
藤田京弥選手も24lb台をキャッチして11位と好位置でのスタートとなっています。
松下選手は17lbを釣るも77位と少し出遅れていますが、予選通過の50位以上は十分狙える位置なので、2日目頑張ってもらいたいところです。
いい魚、釣ってますよね!!
Day-2 予選2日目 各日本人選手躍進!
さて、大会2日目は予選の通過がかかる重要な日です。
2日目で躍進できるかどうかで、予選通過は勿論ですが、上位進出へとつなげることができるかどうかが決まってくる試合になります。
この日、初日TOPのブライアント・スミス選手はウェイトを伸ばせずに8位まで順位を落としてしまっています。
予選通過がかかっていた松下選手は24lb4oz1を持ち帰り、77位から41位まで一気に順位を上げて見事に予選を通過。
また、この日大躍進をしたのが伊藤選手。
27lb7ozを釣り、初日の9位から一気に3位までランクアップとなりました。
ノっていることが画像からも伝わってくる感じですね。
伊藤選手の27lbがこの日のTOPウェイトと思いきや、まだ上がいました。
A.O.Y.争いでも上位につけているカイル・ウェルチャー選手で、27lb12ozをウェイイン。
初日の6位から一気にTOPまで躍り出ました。
トーナメントシャツを見ると、サンラインのロゴも目立ちますが、ブリーデンのキャップを被っているのも目立ちます。
結構、日本の釣り具メーカーがサポートしているアメリカの選手が多いことに驚きました。
藤田選手も躍進組。
伊藤選手よりは少し低いながらも26lb台を釣って5位までジャンプアップ。
前戦で優勝しているだけに、若き才能もノっていることが伺えます。
初日4位のキムケンさんは、残念ながら少しウェイトを落としてしまい、21lb4ozで14位まで後退。
20lbオーバーって、10kg近いウェイトなので決して悪いスコアには見えないのですが、フィールドのポテンシャルもあり、このくらいでは勝てないのがアメリカのトーナメントのTOPカテゴリーの実情ですね。
と言うことで、最終戦は見事に日本人選手全員が予選通過という素晴らしい展開となっています。
こうなると、更に3日目(セミファイナル)が楽しみなところです。
狭き決勝への門の通過を賭けたセミファイナル
さて、大会3日目。
セミファイナルをクリアして最終日の決勝戦にクオリファイするには10位以内に入らなければいけません。
全体の人数が100名超の大会で、予選の50位以内も楽ではありませんが、10位以内となると非常に狭き門となります。
キムケンさんでも初日の4位から一気に14位まで落ちているので、予選の時点で暫定シングルの選手も、少し気を抜くと一気に追い抜かれるので全く油断の出来ない試合です。
この日チャンスをものにしたのは、予選を4位で通過したパトリック・ウォルターズで、28lb5ozというハイウェイトを持ち込み、一気にTOPに!
予選終了時点でカイル・ウェルチャーとは1ポンド以上の差はあったのですが、セミファイナルでカイル・ウェルチャーが25lb台だったことで一気に逆転となりました。
やはり、28lbオーバーは破壊力があるウェイトですね。
日本人選手では、藤田選手が25lbジャストを持ち帰り、更に順位をひとつ上げて4位までランクアップ。
崩れない安定した釣果は素晴らしい以外の言葉が出ません。
伊藤選手は22lb13ozで、ハイウェイトながら相対的に順位を落としてしまい、少し順位を落としてしまい5位となっています。
しかし、決勝進出はポイント的にも非常に大きいので、このまま最終日での活躍に期待がかかります。
一度順位を落としたキムケンさんも3日目は頑張ってくれました。
27lb9ozというハイウェイトを叩き出し、14位から5位までジャンプアップして見事に決勝にコマを進めています。
この爆発力は”まさにキムケン!”ってところですね。
ずるずる順位を落とさず、最終日に向けてリカバリしてくるところが実力ですね。
松下選手はさすがに決勝進出までは届かなかったものの、41位からひとつ順位を上げて40位でフィニッシュ。
年間順位も上がっているかと思うので、意味のある最終戦となったかと思います。
なお、年間ポイントレースのA.O.Y.については、カイル・ウェルチャーが最終日を待たずして獲得決定となっています。
カイル・ウェルチャーが決勝ラウンドに進出したことで、ポイント差が埋まらないことが決定したということになります。
恐らくカイル・ウェルチャーはEliteシリーズでのA.O.Y.は初獲得かと思いますが、安定した実力を見ると来期も活躍されそうですね。
近い将来に日本人選手でこの栄冠を奪取して欲しいところです。
日本のバストーナメントフリークのひとつの夢ですね。
そして、もう一つ夢である”BASSMASTER Classic”の制覇もあるのですが、こちらについては2024年大会のエントリーの話しも合わせて後述します!
最終日 決勝ラウンド そして年間ランキング
第9戦の決勝。
今シーズンのEliteシリーズ全体での最終日でもあります。
決勝の模様は10艇にオフィシャルクルーがカメラと共に同船しており、YouTubeだけでなくLIVEでも放送されていたようです。
やはりバストーナメントの本場アメリカは違いますね。
さて、気になる最終日の結果ですが、まずは個人的にも一番注目の伊藤選手。
隣に藤田選手も映っていますが、ウェイインを待つその表情にも自信が表れているのがわかり、グッドウェイトを持ち帰っていることが写真からもわかります。
結果は最終日にてTOPウェイトとなる26lb5oz♪を持ち帰り、順位をひとつ上げて4位でフィニッシュとなっています。
X(旧Twitter)でも意気込みを書き込まれていましたが、まさに有終の美を飾る最終日の結果だったかと思います。
暫定TOPの席に座る伊藤選手。
試合だけは終わってみないとわからないだけに、このポジションに居ることが大事であり、期待感はハンパ無いと思います。
そして、藤田選手ですがしっかり25ポンドオーバーを釣ってきて、ひとつ順位を上げて3位でフィニッシュ。
ウェイインの結果を待つ暫定TOPの伊藤選手がチャーミングですね。
『お願い!スコア伸びないで!』という声が聞こえてきそうです。
しかし、残念?ながらGoodFishをしっかり持ち込んでいて、伊藤選手もここで万事休すというところです。
前戦で優勝している上に、今回も3位とは驚きしかありませんね。
ルーキーながら最後まで崩れないメンタルの強さも凄いと思います。
そして、5位でスタートしたキムケンさんですが、少しウェイトが伸ばせず順位ダウンの7位でのフィニッシュとなりました。
それでもシングル入賞だけでも素晴らしい結果だと思います。
また、キムケンさんはウェイインショーのインタビューでもメモも見ずにインタビューに受け答えしているところも素晴らしいですね。
釣りだけでなく、生活としてアメリカのトーナメントに馴染んでいる適応力も素晴らしいと思います。
そして、最終戦のWINNERはパトリック・ウォルターズが奪取!
決勝の10名の中では6番目というウェイトながら、大きく引き離されることの無い24ポンドオーバーというスコアをキープして、3日目の貯金を活かして逃げ切り優勝となりました。
トーナメントシャツのダイワのロゴも光ってますね。
さて、最終戦が終了したことで年間順位も決定しました。
日本人選手のTOPは藤田京弥選手で、参戦初年度にして7位!
毎年この順位を維持するのは大変かと思いますが、今年のシーズンで藤田選手のポテンシャルは証明されたようなものなので、来期以降にも期待です。
続いて、キムケンさんが23位。
各試合、コンスタントにポイントを稼いできた結果ですが、キムケンさんは爆発力が凄いので、2024年シーズンでは是非単戦での優勝を見せてもらいたいところです。
続いて、伊藤選手。年間順位は36位!
伊藤選手は、前半~中盤で成績が出ずに苦しい期間を過ごし、順位も来期の参戦権を維持できるか微妙なところまでいっていましたが、終盤戦で一気にリカバリされて堂々の来期Eliteシリーズ参戦権キープです。
スモールマウス戦以外を克服すれば、来期は更なる飛躍の年になるかと思います。
最後は松下選手。
第8戦時点での年間順位をチェックしていなかったので、今回の試合の結果が順位アップにどのくらい貢献しているかが検証できないのですが、今回の試合の40位という結果を踏まえて松下選手は堂々の80位以内の77位!
クオリファイの維持が大変なEliteシリーズで改めて参戦権を獲得するのは大変なだけに、この結果は大きいと思います。
そして、R.O.Y.はなんと1ポイント差でジョーイ・シフエンテス選手に決まりました。
1ポイント差の2位はもちろん、藤田京弥選手。
R.O.Y.は一度しかチャンスが無いだけに非常に惜しいところではありますが、先にも書いた通り、次年度のシリーズ以降で是非A.O.Y.を獲得し、世界のTOPプロになってもらいたいと思います。
以上、最終戦及び年間についてまとめてみました。
BASSMASTER Eliteシリーズ 第9戦 最終戦 まとめ
と言うことで、BASSMASTER Eliteシリーズの最終戦のダイジェストを書いてみました。
最終戦も決して楽な試合では無かったかとは思いますが、4名しか参加していない日本人選手の内3名がTOP10に入るのは快挙ですね。
しかも、年間成績によってエントリー可否が決まる”BASSMASTER Classic”についても、藤田選手、キムケンさん、そして伊藤選手の3名のエントリーが決定しました。
かつての大森選手のように、是非、日本人選手が優勝して日の丸を掲げてもらい、アメリカのバストーナメントに新しい歴史を刻んで欲しいものです。
アメリカでも日本人のプロバサーの釣りのレベルが高いことを認識されたかと思います。
しかし、大会の模様を動画で見ていて感じたことですが、フィールドが広大という違いもありますが、日本のバストーナメントの景色とは全く違うなと思いました。
基本的に船団での釣りが見られない。
広大なフィールドでも条件の良いポイントではバッティングするシーンも見るとは言いつつ、基本は各選手がそれぞれ見つけたポイントで釣りが出来ているように見えます。
<補足修正>
後日、MADさんのYouTubeを見ていて上記の記載が一部間違った認識であることに気づいたので訂正しておきます。
大会最終日、10名で広大なフィールドをシェアできる状況でしたが、優勝したパトリック・ウォルターズと、オンタリオが地元のコリー・ジョンストンがキャストすれば届くくらいの距離感で釣りをしているシーンが見られました。
ポイントとして良いポイントだったのでしょう。
ただ、どちらの選手のマイウォーターなのか?はわかりませんでした。
アメリカでも大会で重要なシーンでは、良いポイントでの接近戦もあるんだなと感じましたし、MADさんの解説コメントでもアメリカのトーナメントがJB/NBC化してきていると書かれていました。
日本人選手がオープンエリアのディープフィッシングで上位入賞できていることは、JBの釣りのスタイルがアメリカでも通用しているということなのかもしれません。
日本のJBの試合などを見ていると、参加人数が絞られているTOP50でも、良いポイントではバッティングは必至。
スモールマウス戦などのオープンエリアでは大船団になりますし、吉野川は遠賀川などの河川系の大会ではポイントバッティングのシーンをよく見ます。
ましてや、マスターズなどの参加人数の多い試合では、バスと勝負しているのか?コンペティターのプレッシャーと勝負しているのか?わからないくらいの感じ。
そういう意味では、同じバストーナメントでも日本で通用する内容とアメリカで通用する内容とはかなり大きな違いがあると思います。
どちらかが良い・正しいという評価をする話しではありませんが、バス釣りの本来の姿はやはりアメリカのトーナメントシーンなのかな?と感じた次第です。
村田基さんも、日本のバス釣りは小さいルアーでセコ釣りに向かって進んでしまっていることを嘆いていますが、1インチや2インチの小さいルアーでエサ釣りのように釣るのは、バスフィッシングの醍醐味や魅力からは外れていると感じます。
最後に、恒例の上位入賞者のルアーをチェックしてみたいと思っていたのですが、残念ながら現時点で写真などがアップされていません。
また、後日情報が公開されたら、記事にしてみたいと思います。
前回の試合では、見事なまでにシャッド系ワームのジグヘッド一色でしたが、今回もスモールマウス戦なので恐らく似たようなルアーが上位入賞のルアーになっていると思います。
バスがルアーのメーカーなどを見てバイトしている訳が無いので、ここまで全選手が同じルアーを使っているとなると、釣果の差はやはりポイントセレクトの違いになってくるのかな?という感じですね。
以上、2024年シーズンもBASSMASTER Eliteシリーズに注目していきたいと思い!