タックル関連情報

【タックル考察】ISSEI×SLPコラボ PEライン専用スプール 動画有り

こんにちは!

NABRA Chase Fishing GONTA です。

いつもこちらのブログを読んでいただきありがとうございます。

今回はリールのカスタムパーツに関する記事になります。

ターゲットは、ベイトリール用のアフターパーツのスプール。

村上さんの一誠(ISSEI)とダイワのSLPワークスのコラボとして作られたパーツになります。

ベイトリールが好きなので、この手の製品は使ってみたい衝動に勝てません。

実釣はまだですが、入手してリールに組み込んだところまでのインプレ記事となります。

なお、最初に書いておきたいのですが、これは新しいスプールの宣伝記事ではございません。

なぜなら、既にこの製品は販売されておらず、追加販売の予定も特に無いとのこと。。。

なので、どうしても入手されたい方はメルカリやヤフオクなどで出回るのを待つしか、今のところは入手方法が無い感じです。

それでは、お時間のある時にお付き合い頂ければ幸いです。

ISSEI PE専用スプールとは何ぞや?

今回ピックアップするこの商品。

私自身もつい最近まで存在を知りませんでした。

たまたまYouTubeを見ていて、村上晴彦さんが商品紹介する動画に目が止まりました。

PEラインを利用することを前提として、遠投性能を追求した結果生まれたスプールとのことです。

少し前まではバスフィッシングにおいてあまり導入が進んでいなかったPEラインですが、PEラインのメリットを活用すべく、最近ではPEラインが利用されるシーンを多く見かけるようになってきているかと思います。

PEラインのメリットについては、ラインの滑りが良いのでルアーの飛距離を伸ばすことができたり、伸び率が低いので感度が高まったりすること。

裏を返せば、近距離戦メインなのであればPEラインを使うメリットはなく、PEラインのデメリットである傷や擦れへの弱さや値段の高さなどのデメリットが勝ってしまい、使う必要は無いと思います。

パンチングなどの近距離戦などは例外かもしれませんが、ラインの強度というメリットを踏まえて導入されているのかな?と思っています。

話しを戻しますが、遠投できるかどうかが大きなポイントとなる陸っぱりからのヘビキャロゲームなどではPEラインが持つメリットがいくつも当てはまるので、PEラインを利用する人が確実に増えてきていると思います。

そんな時代の要求に答えるべく作られたのが【ISSEI×ダイワSLPワークス PE専用スプール】になります。

ダイワのPEライン対応リールと言えば、私も愛用している【ダイワ モアザン PE-SV】が思い浮かびます。

モアザンシリーズと言うことで、ソルトのシーバスフィッシングを意識したリールであり、20g~30gくらいのルアーを快適に扱えるチューニングがされたリールでした。

確かに、ナイトゲームでもバックラッシュなどをすることなく、まさにストレスフリーバーサタイル(SV)なリールでしたが、あくまでも仕様としてはいろいろなアングラーさんが使うことが前提なのでマイルドな性能なのではないかと思います。

これに対して、後発でありながら敢えてPEライン専用としてリリースされたISSEIのスプールの味付けがどんなものなのか?が気になるところです。

ここは使ってみないと何とも言えないので、実釣で使ってみてからインプレをアップしたいと思います。


なぜ、PEライン用の仕様のスプールが必要なのか?

改めてですが、なぜPEライン用のスプールが出されるのか?について触れておきたいと思います。

これは、本製品の紹介動画で村上さん自身が説明をしてくれていますが、モノフィラメント系のラインと網み糸(ブレイデッドライン)の糸そのものの特性の違いが、専用スプールを必要とする原因になっています。

まず一つは、ラインの比重(重さ)の違いに起因するところです。

PEラインは細い糸を何本か編み込んで作られており、太さという観点でモノフィラメント系ラインと同じ太さであった場合、中身に空洞が多いので軽くなります。

因みに、フロロカーボンとPEラインでは、約2倍ほどの比重差があるようです。

なので、回転を開始したスプールに対してブレーキをかける場合、重いフロロカーボンラインが巻かれたスプールは回転慣性力も大きいので、強いブレーキをかけないと止まってくれません。

適切にブレーキがかかってくれないと、スプールはオーバーランをしてバックラッシュ状態となってしまいます。

一方、PEラインは軽いので回転の慣性力が小さく、軽い力でもスプールは止まってくれます。

フロロカーボンラインを前提としたブレーキ設定では、PEラインはほとんどのブレーキ設定域でオーバーブレーキとなってしまい飛距離が落ちてしまいます。

村上さんも言われていましたが、ダイワのマグブレーキは、1~20段階くらいまで細かくブレーキ設定がされていますが、モノフィラメント系ラインの使用を前提にセッティングされたブレーキでは5段階以下の弱い設定でないと飛んでくれないくらいになるようです。

せっかく20段階もブレーキ設定幅があるのに、PEラインを使うと実効性がある幅は5段階分くらいになってしまうのです。

そうなると当然細かい設定変更もできなくなってしまうので、自然条件に合わせた設定変更がほぼ不可能ということになり、使いにくい状態に陥ってしまいます。

そこで、デフォルトのブレーキ力を弱くして、PEライン向けに変更されたものがPEライン専用スプールということになります。

ダイワのリールの場合は、サイドプレートに装着されているマグネットユニットの隙間に、スプール側に付いているインダクトローターは入ることで磁力を使ってスプール回転に抵抗を与える仕組みなのですが、PE専用のISSEIのスプールでは、このインダクトローターがノーマルよりも薄く作られています。

ノーマルのインダクトローターの肉厚と比べると歴然とした違いがあることがわかります。

こちらがノーマルのスプール&インダクトローターになります。

磁力の影響を受ける金属のインダクトローターの体積が減るので、その分ブレーキ力が小さくなる、という仕組みです。

なので、このスプールをモノフィラメント系ラインで使うとほぼブレーキがかからない状態となるので、自殺行為に近い状況になります。

あくまでも、PEラインを使って少しでも遠投することを実現する為に作られたスプールと言うことになります。

また、もう一つラインの種類の違いによるブレーキ特性の違いが要る理由があります。

モノフィラメント系のラインは皆さんもご存知の通りある程度の張りがありますが、PEラインはしなやかなだけに張りもありません。

ラインに張りがあれば、少しくらいスプールがオーバーランの状態になっても、完全にバックラッシュ状態になることを避けることができますが、PEラインの場合は柔らかいのでスプールがオーバーランするとそのまますぐにバックラッシュ状態まで行ってしまいます。

PEラインをベイトリールで使われたことがある方はよくご存じかと思いますが、PEラインのバックラッシュを修復するのはかなり難易度の高い作業になります。

ライン同志が噛み込むとモノフィラメント系ラインのように滑ってズレてくれないので全然絡みがほどけてくれません。

おまけに編み糸なので、指であっちこっちから引っ張るとラインがほつれたり、編み込まれた細いラインが切れたりしてラインに致命的なダメージを与えてしまいます。

そして、最悪の場合、絡みをほどいた次のキャストで高切れ~というオチに繋がるのです。

なので、PEラインを使う時に求められるブレーキ力というのは、ラインが膨らんでオーバーランしないギリギリの状態に常になるようにスプールに負荷をかけ続けることが必要です。

当然、ここでブレーキをかけ過ぎれば飛距離が一気に落ちる訳ですから、強すぎず弱すぎずのバランスを持った繊細なブレーキ力が求められる訳です。

こんな面倒くさい領域に普通のメーカーは立ち入らないのですが、実際のアングラーである村上さんが拘りを持って作り込むことで、メーカーと見事にコラボが成立してこのPE専用スプールが誕生したということになります。

本当に、PEラインを使って苦労を重ねた人でないと行きつかないし、作ろうと思わない製品だと思います。

ISSEI PE専用スプールをリールに組んでみた

と言うことで、実際に調達したスプールをリール実機に組んでみました。

使ったリールは【ダイワ ジリオンTW 1516】になります。

【ISSEI×SLPワークス PE専用スプール】は、ダイワの1500番台のジリオン、RYOGA、そしてキャタリナに対応しており、ジリオンSV-TWなど1000番台のリールには対応していません。

まぁ、あくまでも中距離~近距離バーサタイル対応ではなく、遠投できるキャパを持ったリールへの対応という感じです。

なお、今回は新品リール投入ということで、アースフィールドさんでもらったナノカーボン含有のチューニングオイルをベアリング部に差してから使い始めました。

装着した感じはこんな感じ。

カラーバランスは微妙さを感じます。パープルのスプールはインパクトが強すぎますね。

ラインを巻けばほぼ見えなくなるので、そうなればバランスも安定するかもしれません。

本体のデザインが結構地味なので。

カラーバランスだけで言えば、艶消しブラックメインのRYOGAの方が相性がいいかも知れません。

また、以前にもアルデバランでスプール回転の状態を動画撮影したものをアップしたことがありますが、今回もスプールをリールに装着した際の動画を撮ってみました。

ブレーキダイヤルについて、最初は真ん中の強さ、次にMAXブレーキ、最後にMINブレーキでスプールを回してみています。

動画を見てもらえばわかりますが、結論から言うと、確かにブレーキ設定の変更影響があまり感じられません。

確かに、MINブレーキの時はかなり周り続けていますが、MAXブレーキの時とさほど違いが感じられません。

これが、ブレーキダイヤルをフルで活用できるようになっていることの証明かと思います。

ベイトリールに相性の良いPEラインとは?

本ブログの最後に、少しだけ触れておきたいのが、ベイトリール+PEラインというタックルの仕立てで選ぶラインの相性についてです。

これは、私自身も過去にいろいろ試して辿り着いた結論なのですが、他の方のブログなどを拝見していても同じ意見の方が多数おられるので、私の思い込みではないと言えるかと思っています。

それは、あまり高級な多本ヨリのPEラインはベイトリールには合わないということです。

今、一般的に市場に出回っているのは、4本編み、8本編みがメインでしょうか。

12本編みや16本編みなどもありますが、お値段も非常に高価になります。

値段が高くなるのに、より多くの原糸で編まれたPEラインを求める方がおられる理由はしなやかさなどから来る感度の良さや飛距離アップなどが挙げられるかと思いますが、この特性がベイトリールでは問題になってきます。

スピニングリールでも高級な多本編みのラインは使っている間に糸巻面がデコボコになり易いのですが、これはラインがしなやか(柔らかい)であるが故の糸潰れが原因になっていると思います。

巻取りと放出を繰り返すことで、PEラインはどんどん扁平に変形していくのですが、多本編みはこの現象が明確に出やすく、ベイトリールだとラインの噛み込みの原因になってしまうのです。

新品の糸を巻いた時は、糸巻面も綺麗で気持ちが良いのですが、使っていく内にどんどんデコボコになっていく度合いが多本巻きのPEラインでは酷いのです。

なので、私は基本は4本編みのPEラインを使っています。

メーカーによっては3本編みなどのラインもあるので、それの方が使い易いかもしれませんが、少なければ良いという問題でもない(少なくい方が良いのであればモノフィラメント系ラインが最高ということになる)ので、4本編みくらいが無難な選択ではないかと思っています。

それと、少し太いラインを使うというのもポイントかと思います。

シーバスゲームであれば、最近のPEラインなら0.8号で強度面ではほぼ事足りるかと思いますが、細いラインは噛み込み易く、一度バックラッシュするとほどきにくく、傷が付けば切れやすいのですぐ高切れにつながります。

私の場合は、最低でも1.5号。通常は2.0号をメインで使っています。

スピニングリールのように、スプールから螺旋を描いてラインが放出される訳ではないベイトリールにとっては、ラインの太さと飛距離はあまり関係してきません。

実際、バスフィッシングでもベイトフィネスなどは、スピニングリールではほぼ使えない8lb~10lbくらいのラインを使いますが、タックルバランスが確保できていればスピニングタックルと比べても遜色ない飛距離を確保することが可能なのは周知の事実です。

ということで、ベイトリールにPEラインを組み合わせる場合は、価格も安いものが多くてしかも扱い易い、4本編みの2.0号ラインがオススメというお話しでした。

個人的によく使っているのは、こちらのシーバス用のライン

視認性が良くて、昼も夜も使い易いのが特徴です。


ISSEI PE専用スプール まとめ & 動画

と言うことで、ベイトリールでPEラインを使うことについて長々と書き綴ってしまいました。

メインはPEライン専用スプールの【ISSEI×SLPワークス PE専用スプール】のピックアップだったのですが、このスプールの必要性をご説明する為の能書きが長くなってしまいました。

申し訳ありません・・・

ただ、これからベイトタックルでPEラインを使っていこうと思われている方には、是非、始める前に知っておいて頂きたい事実を書き連ねています。

少しでもそういう方の参考になって、無駄な出費を回避できることに繋がれば幸いです。

しかし、【ISSEI×SLPワークス PE専用スプール】使ってみて、自分に相性が良ければ追加で入手したいのですが、それができないのが残念ですね。

ISSEIブランドでなくても、SLPワークスブランドでも良いので発売して欲しいと切に願います。

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