皆さん、こんにちは!こんばんわ!
いつもこちらのブログを読んで頂きありがとうございます。
NABRA Chase Fishing GONTA です。
さて、今回はアメリカバストーナメント BASSMASTER Eliteシリーズの第6戦についての記事になります。
シリーズ開始時には日本勢快進撃だったのですが、第3戦以降が厳しい展開になっています。
Eliteシリーズは全9戦なので、今回ピックアップする第6戦は後半戦になります。
伊藤巧さんをはじめ、夏場の試合に相性が悪い日本勢ですが、今回の試合はどうなっているのか?
そして、A.O.Y.の年間ランキングも気になるところです。
では、アメリカのバストーナメントに関心をお持ちの方、お時間のある時にお付き合い頂ければ幸いです。
トーナメントフィールドはアラバマ州 ウィーラー・レイク
今回のトーナメントウォーターはアラバマ州のウィーラー・レイクになります。
大きなバストーナメントが開催されるメジャーレイクですが、フィールドとしてはガンターズビルダムからウィーラーダムまでの広大なエリアになっています。
画像ではウィーラー・レイクのメインの部分を切り取っていますが、右側の切り取れていない部分には延々とテネシー川が流れていて、その最下流にガンターズビルダムがあります。
なので、こちらも有名なガンターズビル・レイクはウィーラー・レイクの下流に位置するダムになります。
メインレイク部分は広大なオープンウォーターですが、多くの流れ込みとなっている支流エリアにはシャローエリアやベジテーションも多く、ラージマウスバスがターゲットのフィールドになっています。
日本勢がどうも結果が出せないラージマウス戦であり、まさに鬼門となる試合になりそうな予感がフィールド情報を見ただけでもしてしまいます。
試合初日はシャローマンのジョン・コックスがリード
このフィールドの初日を制したのは、シャローの釣りが得意なことで知られる”ジョン・コックス”で、22lb2ozをウェイイン。
ウェイトの出るラージマウス戦ですが、なかなかの高ウェイトになりますね。
2位の”ジョン・ギャレット”で19lb7oz。5位の”グレッグ・ハックニー”で18lb5ozなので、少しTOPが飛びぬけたスコアになっている感じです。
そして気になる日本勢の成績ですが、キムケンさんが11lb5ozで67位。
伊藤巧さんが7lb7ozで92位、藤田京弥さんが7lb4ozで93位とかなり厳しいスタートを切ることとなっています。
予選通過ラインは50位で、初日の50位の選手のウェイトは12lb10oz。
キムケンさんとの差はあまりありませんが、伊藤さん&藤田さんとのウェイト差はかなり大きな開きがあります。
2日目はかなり頑張ってもらわないと予選通過は難しいという状況となりました。
2日目も日本勢はスコア伸ばせず予選敗退
迎えた2日目ですが、先に日本勢のスコアをお話ししておきます。
キムケンさんは12lb9ozと初日よりスコアを伸ばしたのですが、伸び方が少し足らずで55位でフィニッシュとなってしまいました。
いい魚釣ってはりますけどね~
伊藤巧さんも9lbちょうどと、初日よりはウェイトを上げましたが、全体のスコアと比べると足踏みレベルとなり、90位でフィニッシュ。
藤田京弥さんは15lb9ozと初日のウェイトの倍近いウェイトを釣ってくれましたが、順位は61位までしか上げることができずにフィニッシュ。
残念ながら日本勢は3名全員が予選敗退ということになりました。
他方で上位陣については入れ替えがそれなりに発生。
初日に大幅なアドバンテージを取ったと思えた”ジョン・コックス”は12lb11ozと大きくスコアを崩して3位に後退しています。
予選をトップで通過したのは、初日に4位につけていた”クリフ・プリンス”で、2日目に20lbオーバーを釣ってトータルのウェイトを39lb11ozまで伸ばしています。
大会はクリフ・プリンスが3日目以降をリードして優勝
上位50名に絞られて行われたセミファイナル(準決勝ラウンド)は、2日目でトップに躍り出た”クリフ・プリンス”の勢いが衰えず、大会最大ウェイトの26lb12ozをウェイインして首位を独走態勢となりました。
この時点で、2位の”レイ・ハンゼルマン Jr.”に12ポンドもの差が付いており、非常に大きなアドバンテージを得ることになりました。
そして上位10名で競われる決勝ラウンドですが、さすがの”クリフ・プリンス”も少しペースダウンし15lb2ozとなりました。
ここに前日2位の”レイ・ハンゼルマン Jr.”が23lb5ozを持ち込んで激しく追い上げましたが、”クリフ・プリンス”のアドバンテージが大きかったことと、ペースダウンしたと言っても15ポンドオーバーを釣っているということで、”クリフ・プリンス”が逃げ切り優勝となりました。
ちなみに、”クリフ・プリンス”はEliteシリーズ初優勝。
過去に何度かチャンスはあったようですが、今回はチャンスを結果に結びつけることができたようです。
上位入賞選手のタックルをチェックしつつ、フィールド特性に思いを馳せる
恒例の上位入賞者のタックルをチェックしておきたいと思います。
タックルを見れば、だいたいどんな釣りを展開したのかが見えてくるので面白いですね。
優勝の”クリフ・プリンス”はロングワームのジグヘッドと巻物のチャターベイト。
ワームの方はスナッグレスセッティングになっているので、カバーを攻略するのに使われていたかと思われます。
他の選手のタックルと比べてみると面白いのですが、他の上位入賞の選手は巻物としてクランクベイトを使用している選手が非常に多いのに、チャターベイトを選択している選手は少なかったようです。
この辺りがウェイト差につながったのかも知れません。
まぁ、もちろんポイント選択がその前に一番大きい差になっているとは思いますが。
そして、共通しているのが、カバーをロングワームで攻略しているという点。
ジグヘッドのスナッグレスセッティングで釣っている選手が多いだけでなく、テキサスリグでロングワームを使っている選手も非常に多い状況でした。
これらを見ると、上位進出のポイントはシャローのカバー攻略だったと思ってしまうのですが・・・試合中の写真などを見ると決してそうでもなかったようです。
一番最初のフィールドチェックで書いたように、シャローでベジテーションなども豊富なフィールドのようなので、てっきりシャローエリアがプロダクティブなエリアだと思ってしまうのですが、4位と5位の選手の試合中の写真だと湖の中央付近に浮いて釣りをしています。
ってことは、ディープのストラクチャーかウィードエリアがターゲットになっていたと考えるしかない感じです。
5位でフィニッシュの”アレックス・ウェスレル”は明らかにロングワームを使って湖の真ん中で釣りをしています。
4位の”ジョン・ギャレット”も浮いているポジションは湖の真ん中っぽいエリアで、投げているルアーはロングワームですね。
ここまで見て、改めてクランクベイトを見ると、シャローのカバー撃ち用のタイプではなく、ロングリップのディープダイバーですね。
これで少し謎が解けた感じがしましたが、いずれにしても季節的なものも含めてプラグでもワームでも巻く釣りが強かった感じがします。
ちなみに、3位入賞のシャローマンである”ジョン・コックス”は最後までシャロー勝負だったようなので、やはりエリア選択とフィッシングスタイルのマッチングが大事だったということですね。
そんなことを考えながら見ていて、ふと思いついたのですが、清水盛三さんのスタイルにマッチしたフィールドだったのではないか?なんて思ってしまいました。
2006年のケンタッキーレイク戦では、ショアのカバーでは無いものの、ロングカーリーテールのテキサスリグでカバーを攻略して優勝されています。
また、優勝ではなく準優勝ではあるものの、2005年のレイク・ガンターズビル戦でも結果を出されており、まさに今回のウィーラー・レイクに近いフィールドであることを考えると、盛三さんには相性が良いフィールドだったのではないか?と思ってしまいます。
巻きのストロングスタイルという点ではキムケンさんが近いスタイルではないかと思うだけに、今回の日本勢の中ではキムケンさんが一番順位が上だったこととも関係があるように感じました。
日本勢含めて全体のA.O.Y.の状況をチェック
最後に、第6戦終了時点での年間ポイントのランキングについてチェックしておきたいと思います。
第5戦の結果からの変動ベースでチェックしてみました。
上位陣は10位以内の範囲で変動しているものの大きく変動はなく、10位圏外からTOP10に入ってきたのは1目のみ。
そして日本勢ですが、こちらも小幅な動き。
大きくジャンプアップして欲しかったところですが、50位~70位のレンジで安定といった感じです。
ここで最大の問題は、全員クラシックの出場圏外に居ること。
上の表のとおり、クラシックの出場権はEliteシリーズの年間上位40位以内となっているので、かなりランクアップしないといけない状況となっています。
BASSMASTER Eliteシリーズ 第6戦 まとめ
と言うことで、個人的な評価ですが、今回の試合はあまり注目するポイントが無い試合でした。
やはり日本勢には夏場のラージマウス戦は鬼門なのか?
ラージマウス戦=シャローゲームが多いという関係性があるかと思いますので、シャローでハイウェイトを釣るというスタイルとの相性があるのかもしれません。
日本のバストーナメントシーンと言うと、どうしてもライトゲーム・フィネスゲームのイメージが強いのですが、それではアメリカで通用しないのかもしれません。
日本ほど魚影が薄くないフィールドが多いと、フィネスな釣りをするとアベレージフィッシュで揃ってしまう(アベレージフィッシュが釣れてしまう)ので、大会で上位進出が厳しいのかもしれません。
これはあながち個人的な思い込みではない気がしています。
シーズン開始時のローウェイトの大会や、シーズン後半のスモールマウスバス戦においては日本人選手の成績は総じて良い結果になっていると思います。
スモールマウスバスのように目が良い魚はラフなタックルやアプローチでは釣りにくいのではないかと思いますし、シーズン当初のシビアな状況ではフィネススタイルが優位になるかと思います。
これ、結構、成績の理由について、いい線突いているように思いますが、皆さんどう思われますか?
いずれにしても、残り3試合が日本勢の勝負です。
過去にも実績の高いスモールマウスフィールドが続きますので、ここからの一気挽回を期待して試合を見ていきたいと思います。