釣りTips

【釣りTips】スピニングリールの”ラインローラー”の重要性

皆さん、こんにちは!こんばんわ!

いつもこちらのブログを読んで頂き有難うございます。
NABRA Chase Fishing GONTA です。

今回は釣りを快適にする為のアイテムに関する記事になります。

スピニングリールを使って釣りをする際、いろいろなトラブルが発生します。

例えば、キャストの際にラインがドバっとまとめて出てしまうバックラッシュ。

また、キャスト&リトリーブを繰り返す中で気付かない内に発生してしまう弛んだラインの飛び出し、いわゆる”ぴょん吉”。

”ぴょん吉”は放置するとキャストの度に飛び出したラインに放出するラインが接触して飛距離を落としますし、ライン同士の接触でラインが傷み高切れを引き起こしたりします。

ベイルアームを起こすだけでラインを放出できるので、ベイトリールのような扱いの難しさが無いのがスピニングリールの長所ですが、良いことばかりでもありません。

そして、いくつかあるライントラブルについては、実はそれらのトラブルを引き起こす大きな原因は共通しているところがあります。

それが『ラインのヨレ』になります。

スピニングリールは、その構造上の問題で、ロッドのガイド側から入っているラインを横向きのスプールに巻く為に90度角度を変えなくてはいけません。

そして、横巻きになったラインはキャスト時にそのままスプールから放出されていきます。

この仕組みが『ラインのヨレ』を発生させます。

電化製品(例えばドライヤー)などで、コードケーブルを本体にぐるぐる巻きつけておいて、使う時にほどくという操作を繰り返すと、コードケーブルにネジレが付くという経験は多くの方がご経験済かと思います。

釣りのラインの場合はコードケーブルと比べると圧倒的に細いし、ライン自身も断面が円形なので少しくらいのヨレは見た目にもわかりにくくなるのですが、ラインがヨレるという結果は同じです。

ヨレたラインで釣りをしていると、キャストで出たラインの途中で結び目が出来てしまったりしますし、”ぴょん吉”やバックラッシュの原因にもなります。

と言うことで、前置きが長くなりましたが、今回は『ラインのヨレ』をできるだけ発生させない為のお話しになります。

では、お時間のある時にお付き合い頂ければ幸いです。

ラインのヨレはラインローラーの仕事次第

では、『ラインのヨレ』はどうすれば回避できるのか?についてご説明したいと思います。

ロッドのガイド側から入ってきたラインをスプールに巻き付ける時に、ローターとベイルアームの接合部にある”ラインローラー”にラインが当たるようになっています。

この”ラインローラー”にラインが接触して回転することで、縦に入ってきたラインを横巻きに変換する際に発生する『ラインのヨレ』の発生を低減させる仕組みになっています。

究極に安価なリールなどでは、この部分に”ラインローラー”が付いていない場合もありますが、基本的には回転するローラーが付いています。

この仕組みは、当然ですが各メーカーさんもご存じで、ダイワであればラインローラーに『ツイストバスター』という機能名を付けています。

出典:DAIWA

ダイワさんの場合は、単純に”ラインローラー”にラインが当たってしっかり回るというレベルの話しを超えて、ライン放出時に発生したネジレを、巻取り時に逆にネジることで『ラインのヨレ』の発生を防ぐ仕組みを考案されています。

この仕組みの詳細について知りたい方は、ダイワさんのテクノロジー紹介サイトにてご覧ください。

この”ラインローラーの性能”という点ではシマノさんが一歩後ろを進まれていたのですが、ラインとラインローラーの関係を研究され、巻取り時にラインが常にラインローラーの中に納まっている状態にする為に、近年『アンチツイストフィン』を開発されました。

出典:SHIMANO

これは過去にもこちらのブログでも紹介していますが、ラインローラーに納まったラインがローター側に落ちないように止めるパーツで、シンプルな機構ではありますが『ラインのヨレ』を発生させにくくする効果を発揮するものです。

と言うことで、ラインを巻き取る際に”ラインローラー”にしっかりラインが乗り、”ラインローラー”が回転しながらスプールにラインを収納することが『ラインのヨレ』を解消する為に重要であることをご理解頂けたかと思います。

ラインローラー自身の回転性能を上げる必要性

ライントラブルなく快適に釣りができるレベルをキープするには、もう一歩踏み込んだ仕組みが必要になります。

それが”ラインローラー”の回転性能になります。

ラインの巻取り時にラインが”ラインローラー”に当たるところは担保できたとしても、ラインが当たっても”ラインローラー”が回転してくれなければ本来の機能が発揮されません

如何に軽い力であってもスムースに”ラインローラー”が回転してくれなければいけないのです。

これを実現する為に、各社の高級上位機種(ハイエンドモデル)ではラインローラー部にボールベアリングを2個装着する”ダブルボールベアリング(2BB)”が採用されている機種が多くあります。

軽い力でもローラーパーツが回転できるように、回転の抵抗を極限まで下げる為、コストが高くても高性能ボールベアリングを装着しています。

逆の観点で言うと、価格設定の安いリールはボールベアリングの使用数が少なかったり、ボールベアリングを使わずプラスチックのリング(カラー)が使われていたりするのです。

リールパーツのサードパーティー企業(ヘッジホッグスタジオさんなど)が『ラインローラー2BB化キット』などを出されているのは、ノーマルで2BBになっていないリールの機能アップをするためです。

このキットを利用すれば、ノーマルでは1BB+プラスチックカラーの仕様になっているリールを2BB化できるので、ラインローラーの性能をアップ=『ラインのヨレ』低減を実現することができるのです。

ちなみに、ラインを巻き取る時には必ずラインとラインローラーは接触しているので、ラインローラーが仕事をする(回転する)のが当たり前と思われる方もおられるかと思います。

確かに、リグなどを回収する時には巻取りも早いのでラインはある程度のテンションでラインローラーに触れますね。

しかし、釣りのスタイル次第ではラインテンションがかからない状態で巻き取ることが多いことを意識しておかないといけません。

具体的に例を挙げるのが一番手っ取り早いかと思います。

アジングや、バスフィッシングでのノーシンカーでの釣り。

ルアーやリグが軽いので、リーリングしてもラインテンションがかかりにくいですよね。

しかも、ルアー・リグを操作している時はラインが弛んだ状態になっています。

巻いたり・止めたりという動作を繰り返すのでラインとラインローラーの接触機会が減ってしまいます。

結果として、リトリーブ時に得られるラインと”ラインローラー”が接触してラインローラーが回転し、『ラインのヨレ』を解消することができなくなります。

シーバスゲームなどキャスト後は常にある程度のスピードで巻き取るような釣りではまだ良いのですが、1g前後の軽量ジグヘッドを多用するアジングやバスフィッシングのライトゲームでは『ラインのヨレ』が発生しやすくなるのです。

なお、ラインローラー自身においても、素材やデザインなどで『ラインのヨレ』を解消する機能を得ることもできます。

次に、具体的にアイテムを見ていきたいと思ます、

M.T.C.W ラインローラー零

まずは、自分が使っている製品から紹介しておきたいと思います。

私が使っているのは”M.T.C.W.”社が販売されている【M.T.C.W. ラインローラー 零】になります。

こちらはラインローラーの角度を調整して綺麗にスプールに巻けるように工夫されている製品になります。

特殊な技術を持った旋盤技術師が1/1000の精度で削り出し加工をした製品ということで、精度最重視になっています。

この製品はサーティフォーの家邉代表が使用しているということで存在を知り、実際に使ってみました。

実際に使ってみて得た感想としては、ノーマル状態の時よりも格段にライントラブルは減ったと断言できます。

スピニングリールで釣りをしていると、ラインの寿命よりも先に『ラインのヨレ』でラインがダメになって巻き替えることが多かったのですが、このラインローラーに換えたことでラインの寿命いっぱいまで使えるようになりました。

ラインが長く使えるということで経済効果も間違いなくありますが、やはり何と言っても最大のメリットは釣りをしている時にストレスなく釣りができるという点です。

アジングなどでは軽いテンションをキープした状態で誘う&巻くを繰り返すのですが、『ラインのヨレ』を気にすることなく釣りができるので、自ずとバイトへの集中力もアップします。

ちなみに、私はダイワの”21カルディア”、”18月下美人”と、シマノの”16ストラディック”をアジングで使用していますが、全てこの【M.T.C.W. ラインローラー零】に換装しています。

こちらの製品はいくつかのモデルが準備されています。

ライトゲームには”オリジナル零”が向いていますが、シーバスゲームなどで使う中型の釣りには【M.T.C.W. ラインローラー零改】があります。

また、素材にチタンを使用した改造バージョンの【M.T.C.W. ラインローラー 零 Version2】があります。

素材の軽量化を図ることで、オリジナル製品よりも更に回転レスポンスが良くなるようになっています。

価格については、概ね8,000円くらいの設定になっています。

ラインローラーだけにこの費用を捻出する価値があるか?というところですが、私の場合は投資に値するパフォーマンスを有していると評価しています。

IOSファクトリー インパクト&ダイレクト

続いて紹介するのは、IOSファクトリーからリリースされているラインローラーになります。

こちらは、デザイン面でかなりオリジナリティが高い製品になっています。

ラインを巻き取る面に複数のブランク(凹み)が作られておりラインをしっかり拾う機能を持っています。

製品としては、シマノ製のリールに適合する”インパクト”と、ダイワ製のリールに適合する”ダイレクト”の2種類があります。

ちなみに、私自身は使わないのであまり関心が無いのですが、ABUのカーディナルやRevoシリーズ用のラインローラーも揃っている点は同社の製品の大きな特徴かと思います。

メーカーの製品紹介サイトにて素材は明記されていませんが、類似の他製品でステンレスを使用されているので、こちらもステンレス製である可能性は高いかと思います。

製品の価格が6,000円台であることも、素材がステンレス製である根拠となります。

軽い力でラインがラインローラーに触れただけでもラインローラーが回ることを目的として作られており、『ラインのヨレ』を低減するという性能においては高い効果が期待できる製品です。

ただし、最新のリールに適合する製品が少ないところが少し弱みかな、と思いますね。

ClearBlue アジング用ラインローラー

こちらは2024年にクリアブルーさんが販売を開始された製品です。

ベースはレビテーションエンジニアリングというリールの整備やチューニングを専門に手掛けている企業さんが作られているオリジナルのラインローラーが使用されています。

ラインローラーに使われている素材は、高級スプール素材でおなじみ?の超々ジュラルミンで、硬度と軽量化の両方を実現。

クリアブルーさん曰く、超々ジュラルミンの採用で反響性能が各段に向上し、感度がノーマルの状態と全く違うそうです。

また、レビテーションエンジニアリングさんの製品はトラウトゲームなどを想定しており、アジングで求められる性能とは違うとのことで、ボールベアリングやオイルは独自にテストを行った組み合わせが採用されているそうです。

こちらの製品、最大の特長は独自の形状になっているところです。

右がノーマルで、左がオリジナル製品なのですが、ラインローラーの糸が当たる面の真ん中に段差ができるようになっています。

これにより、ラインの捕まりがよくなり、スプールに綺麗に巻けるので『ラインのヨレ』解消だけでなく、糸巻き面も整理されるのでキャスト時の飛距離も伸びるようです。

上の画像はダイワのリール用のラインローラーですが、シマノ用も販売されています。

シマノ用はラインが収まる溝の部分にRを付けた造りになっており、オリジナルのラインローラーよりもラインの納まりが良いようになっています。

また、細かいところですが塗装にも気を遣われていて、ラインローラー外面はバス加工。

全光沢アルマイト加工で光沢化されていて、ラインなどに傷が付かないような拘りが施されています。

出典:M.T.C.W.

価格については、ダイワ用が9,900円(税込)

シマノ用はなぜか少し高くて、11,000円(税込)となっています。

先に紹介したラインローラーと比べるとかなり高くなります。

ディスっている訳ではありませんが、クリアブルーさんの製品は良いものが多いのは間違い無いと思いますが、ロッドにしてもちょっと高過ぎませんかね?

ラインローラーチューニング まとめ

と言うことで、スピニングリールで快適に釣りをする為に重要な役割を果たす”ラインローラー”についてのお話しでした。

釣りをしていてライントラブルが出ると一気にテンションが下がりますよね。

魚を釣るという点以外に意識が奪われないことは、釣果アップにもつながります。

また、リールのチューニングはいろいろな方法がありますが、リールを分解する必要があったりするとハードルが高いですよね。

ラインローラーはドライバーひとつあればできるので手軽さという面でもハードルが低いのがメリットです。

ラインローラーから独自の製品に換装する選択肢もありますが、オリジナルのラインローラーを利用しつつボールベアリングを追加する方法もあります。

皆さんも、ご自身の好みとお財布のバランスを見つつ、ラインローラーを見直されてはいかがでしょうか。

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