皆さん、こんにちは!こんばんわ!
いつもこちらのブログを読んで頂き有難うございます。
NABRA Chase Fishing GONTA です。
今回は、去年から本腰を据えて取り組んできたチニングにおいて、ターゲットの魚の特性について少し書いてみたいと思います。
”チニング”はチヌ釣りのルアーゲーム名称として完全に定着してきた感じがしますが、そのターゲットは実は2種類の魚で構成されています。
マダイは赤色をしているのに対して、黒色系の体色をしたタイとして”クロダイ”と呼んでいますが、”クロダイ=マチヌ”と”キビレチヌ=キビレ”と言われる2種類の魚がチニングで釣れる魚になります。
どちらも見た目は似ていますし、生息域や食べているエサなどもほぼ同じであることから、敢えて分けて狙われることもありませんし、普通にチニングをしていると両方の魚が混ざって釣れることはザラにあります。
しかし、この2種類の魚、釣りをしていて感じるのはかなり習性に違いがある魚だと思っています。
この修正の違いは釣り方にも影響すると感じています。
そんな私見の記事になりますが、チニングをお好きな方はもちろん。これからチニングをしてみようと思われている方にも少しは参考になるお話しかと思います。
では、お時間のある時にお付き合い頂ければ幸いです。
行動パターンの違い
まず最初に挙げるのは行動パターンです。
行動パターンを抑える(把握する)ことは、魚とのコンタクトの可能性を高めることができるので非常に重要な事項だと考えています。
冒頭に書いた通り、沖の水深があるところに棲息しているマダイと違い、マチヌもキビレも基本的に沿岸部の水深の浅いエリアで棲息しています。
なので、沿岸部からの釣りで釣りやすい訳ですが、棲息域は似ていてもそこでの行動パターンには結構違いがあると感じています。
”マチヌ”については、一定期間の棲息域がある程度固定化されているように思います。
これは他の表現にすると”ナワバリ”があるようにも感じます。
沿岸部の中でも堤防の際やシャローでは石積み護岸やロックエリアに定着するようで、”マチヌ”を見かける場所ではほぼいつでも見かけます。
いわゆる”見えチヌ”ですが、人や野鳥などのプレッシャーがあるにも関わらず、ほぼ同じ場所で恐らく同じ魚がウロついています。
ある程度の範囲で回遊する個体もいるんだろうと思いますが、特に大型になってくると決まったエリアに定着するように思います。
また、集団性としては2匹~3匹の行動は見かけますが、あまり大量のマチヌが群れをなして行動することは少ないように感じます。
一方で”キビレ”は、ある程度のエリアの中には棲息しつつもそのエリアの中を群れで回遊する傾向が強いように感じます。
なので、浅いエリアのシモリなどに定着しているのを見かけませんし、居ない時は全く居ないけど群れで入ってくると連続で釣れるパターンが多いのもキビレの特長です。
なので、マチヌ狙いの場合は「実績のあるポイント=マチヌが居付く理由がある場所」を拾い釣りする方が魚を高確率でゲットできると思います。
一方で、キビレについては「実績のあるポイント=マチヌが居付く理由がある場所」を狙うべきな点は同じですが、狙う場所をマチヌよりも広くエリアで捉えて釣りをするのがいいと思っています。
特にハイシーズンなどでは、水通しがよく、岩場や牡蠣瀬などが存在する好条件が揃っていれば、水深の浅いエリアでも全く問題なく回遊してきますので、好条件のエリアで小移動しながら回遊を待つのが効率が良い認識です。
ちなみに、河川ポイントでは上げ潮で上流に上がり、下げ潮で下流に下ると言われていますので、河川の規模を踏まえて移動する距離やルートなどをイメージし、ポイントを選択するのがよいと思います。
性格の違い
続いての違いについては”性格”についてです。
『魚なのに性格なんてあるのか?』と言われてしまうかもしれませんが、私は結構明確な違いを持っているように感じています。
マダイもキビレも雑食性で結構獰猛なところがある魚ですが、キビレの方がより攻撃性が高く獰猛なところがあるように感じます。
バイトの出方についても、食い気のある時はガンガン負い食いしてきますし、フックアップしない時でもバイトの出方が激しいのはキビレだと思います。
”クロダイは臆病で神経質な魚”という印象が一般的なイメージかと思いますが、キビレについては臆病さよりも獰猛な性格の方が勝っているように感じます。
これは、マチヌほど沿岸ギリギリで行動することが少ないというところにも関係してくるようにも思います。
人の気配が届きにくく、鳥などの外敵にも狙われにくい、少し沖のブレイク周辺などで行動しているイメージが強い(夜などの陽が出ていない時間帯は別ですが)キビレは、外敵を意識する用心深さよりも捕食本能が勝っている感じです。
一方、マチヌは意外と性格が大人しく、かなり臆病な性質をしているように見えます。
釣り人の目に留まりやすいシャロー域をウロついているだけに、常に外敵を意識して行動しているように見えます。
ルアーを離れたところにキャストしても、やる気が無い時は気付くとすぐに逃げてしまいますし、ラインの存在に対しても敏感だと思います。
ただ、トップウォーターで釣れる確率が高いのはマチヌだと思っていて、キビレよりも水面への反応が良いのはベイトフィッシュなどの小魚を捕食しているケースが多いのではないかと考えています。
ボトムチニングでは、ガンガン巻きで釣っていても平気で食ってくるのはキビレで、障害物に絡めて少しステイなども加えると食ってきやすいのがマチヌかな、というイメージ。
性格の違いを利用して、意識的に釣り分けることは難しいとは思いますが、釣り場によってはマチヌが多かったりキビレが多かったりと特長があるかと思いますので、フィールドにおけるマチヌ/キビレの割合を踏まえた上で釣り方を意識的に変えることでヒットに持ち込める確率は変わってくるのではないかと思っています。
ちなみに、私の住む関西エリアでは、沿岸部は圧倒的にキビレが多いのが事実です。
沖堤防など塩分濃度の高いポイントになるとマチヌの割合が多くなるようですが、港湾部や湾奥シャロー、そして河川エリアなどは明らかにキビレの割合が多いのが特徴。
一方で、瀬戸内海のフィールドである四国などは、YouTuberのゼロチヌさんの動画などを見ていると圧倒的にマチヌが多いことがわかります。
広島県などでも、マチヌの割合が多いかと思いますので、同じチニングと言っても細かいレベルでは釣りのスタイルが違うように感じます。
産卵期の違い
続いては産卵期の違い。
これは生物の生理現象でもあり、明確な違いがいろいろなところで明記されているのでご認識の方も多いかとは思います。
あくまで一般的な話しとして、マチヌの産卵期は春であり、冬から春にかけて水温が上昇してくると産卵の為に接岸する、いわゆる”乗っ込み”という事象が有名です。
産卵期前は、産卵の為に体力をつける為にも荒食いするので、比較的大型のマチヌが釣れやすいということで知られています。
一方、見た目は似ているキビレですが、産卵期については秋と言われています。
個人的な認識ですが、マチヌと棲息域も似ていて、行動パターンや捕食対象も似ているので、産卵期が重なると混血する可能性が高くなる。
なので、種の存続・維持の為にも産卵期がズレているのではないかと考えています。
ここまでが一般的に語られている違いですが、ここからがチニンガーとして産卵行動が釣りに影響するポイントについて書いてみたいと思います。
まず、マチヌの場合は低水温期の冬は沿岸部にいる個体が少なく釣れにくい状況ですが、春になると水温も上がり魚の活性が上がるプライムシーズンに突入します。
そんなタイミングとマチヌの釣れやすい時期が重なるので、産卵期は釣れるイメージが伴います。
しかし、キビレの場合は春~夏のハイシーズンを経ての産卵期ということで、今まで釣れていたのに釣れなくなるところが特徴。
実際のところ、秋でもキビレが釣れることは実証されてはいますが、それまでのハイシーズンと比べると大幅に釣れにくくなる印象です。
事実、8月いっぱいは普通に釣れていたキビレが9月に入って全く姿を見なくなってしまっています。
これは、今年に限らず昨年もそうでした。
淀川など、元々のキビレの魚影が濃いフィールドでは、産卵期の個体毎のズレなどもあり、秋でも釣れるようではありますが、モリゾーさんも『秋は少し難しくなる』と言われているので、釣果が落ちるのはFACTかと思います。
11月後半とかになると、またキビレが釣りやすくなるので、9月~10月は産卵で普段と違う棲息域に移動していて、産卵が落ち着いたら沿岸部に戻ってくる感じですね。
と言うことで、産卵期というキーワードについては、ポジティブに捉えられるのがマチヌであり、ネガティブな影響が避けられないというイメージなのがキビレ、という違いです。
引きの違い
最後に、これも違いがあると感じているので、書いてみたいと思います。
それが”引き”の違いです。
キビレはヒット直後の引き=ファーストダッシュは強烈ですが、スタミナが無いのか?その後のやり取りでは比較的早くランディングに持ち込める感じがします。
また、ヒット直後に抵抗して水面を割るケースも散見され、シーバスか?と勘違いさせらることもあります。
基本的に横方向への引きがメインというのがキビレの引きの印象です。
一方で、マチヌについてはファーストダッシュの強さというよりは、やり取り全般におけるトルクの強さが特徴だと思います。
特に、岩やテトラなどのストラクチャーに張り付こうと突っ込むパワーがキビレ以上に強くて、ラインを刷られてラインブレイクする危険を感じるのもマチヌとのやり取りでは多いと感じます。
あくまでもイメージですが、瞬間的なダッシュ力については、キビレはスモールマウスバスに似たような感じ。
トルクのあるマチヌの引きは、ラージマウスバスの引きに似ているイメージです。
この違いがあるからどう、という話しは無いのですが、ボトムに向けて走る力が強ければ掛けている魚はマチヌである可能性が高いと判断し、ボトムの障害物にラインが擦られないようロッドを立ててやり取りするなどの対策には配慮した方がいいかと思います。
マチヌとキビレの違いについて まとめ
と言うことで、あくまでも私なりの違いの分析にはなりますが、マチヌとキビレの違いについて書いてみました。
生物学的にはもっといろいろな違いがあるんだと思いますが、釣り人として気付く違いはこんなところでしょうか。
ちなみに、これだけマチヌやキビレを釣っていると顔つきの違いもあることに気付きます。
マチヌは顔が尖っていて、大型になると口も大きくなる。
まぁ、これは大きくなる個体は捕食も上手いから大きくなるので、口の大きさと大型化は因果関係があるようにも思います。
一方で、キビレの場合は大きくなっても顔の丸さは維持されているように思います。
元々、キビレはマチヌほど大型にならないので、サイズ感的にも”マチヌの年無し”のようなイカツサが出ないんだと思いますが、”こわもて”にならないのがキビレですね。
以上、どこまで皆さんの参考になる話しだったか?が疑問ではありますが、同じチニングのターゲットであっても違いがあることを意識することで釣果につながるのでは?との思いで記事にしてみました。
何かひとつでも参考になる話しが含まれていたら幸いです。