釣りTips

【テクニック・メソッド】ベイトリールの特性を意識したキャストについて

こんにちは!

ベイトフィネスタックルを使い始めて約1ヵ月が経ち、それなりにいろんなルアーやシチュエーションで釣りをしてきました。

釣行回数にして、14回。

正直、スピニングタックルと同等の操作性と言う訳にはいきませんが、最新のベイトフィネス機の性能はそれなりに満喫させてもらっています。

とは言いつつ、2台のベイトフィネスリールを使ってみて、それぞれのリール特性と使い心地の違いを踏まえて、使い方についての留意事項に気付きました。

そこで、今回はベイトフィネス用のリールにおけるリール特性とキャスト時の留意点について書いてみたいと思います。

記憶と感覚が新しい内に記事にしておくのが一番。

キャストそのもの以外にも、キャスト性能に影響のある話しもいろいろと踏まえて書いてみます。

これからベイトフィネスタックルを導入してみようと思われている方、既に使っているけれどシックリと来ていない方の参考になれば幸いです。

ベイトフィネスタックルの有効性について

そもそもの観点で考えると、ベイトフィネスはバス釣りにおいてスピニングタックルで扱うような軽量リグやプラグをベイトタックルの利点を活かしつつ使えるように進化してきた釣りです。

特に、軽量なスモラバなどをピッチングでカバー撃ちする時に使うなど、スピニングタックルよりも太いフロロカーボンラインを使うために導入されたと言っても過言ではありません。

なので、ピッチング時の飛距離の伸びやストレスフリー度合が重要視される側面が強く、フルスイングによる飛距離がPRされる記事やコメントは少ないのが現状です。

ピッチングの釣りでは、キャスト時のロッドの仕事は非常に限られており、若干の初速を付ける為にロッドティップ部のしなりが利用されるくらいで、後はロッドを立てながらキャスト軌道をコントロールするくらいです。

狙う距離も、せいぜい竿2本分くらいのところまでなので、軽量ルアーが気持ちよく数メートル飛ばせるかどうかは大半がリールの性能にディペンドしていると言っても過言ではないかと思います。

シマノのアルデバランは、発売当初は小型シャッドのキャスティングゲームが前面に押し出されて宣伝されていたような記憶はありますが。

一方で、ソルトライトゲームでは、ピンポイントをピッチングで撃っていくような釣りは非常に特殊(港湾部などのチニングなどではあり得る)であり、基本は竿を振り抜くフルキャスト。

ある程度の飛距離は、釣りの前提として必要です。

しかし、アジングなどで使う0.6g~0.8gのジグヘッドでは、スピニングタックルでフルキャストしても15m前後の飛距離なので、釣りそのものが非常に近距離戦。

なので、ベイトタックルでもそれくらいの距離を飛ばすことができれば、釣りが成り立つという話しです。

と、ここまで書くと明確になってくるのが、バスフィッシングにおけるベイトフィネススタイルは必要性から来るものですが、ソルトシーンでのベイトフィネスは”ベイトタックルの使用ありき”が先にあるということです。

バスフィッシングなどでは、スピニングタックルなら3lb~5lbくらいのフロロカーボンラインを使うのが限界で、それ以上太いフロロカーボンラインを使うと釣りが快適にできなくなる。
なので、より太い(8lb~10lb)のフロロカーボンラインを利用して複雑なカバーなどをフィネスな釣りで攻めることができるベイトフィネスには、その存在に必然性があるのです。

一方、ソルトシーンにおいてはベイトタックルで釣ってみたいんだけど、どんなタックルなら釣りが成り立つのか?と言うことで、バスフィッシングとは入り口が違うのです。

かく言う私も、当然この話し(違う入り口の話し)に当てはまります。

釣りをするだけならスピニングタックルでも全く問題ないし、ベイトタックルでないと獲れない魚は港湾部のライトゲームにおいては皆無と言っても過言ではないと思います。

しかし、そこに何故ベイトタックルを持ち込むのか?

その答えは”使ってみたいから“という答えしかありません。

釣りの成立の云々に関して必然性から入っていないので、タックルの絞り込みにおいては、少しでも釣りがし易いロッドやリールを選ばないとそもそも釣りが成り立たないし、使うリグもタックルの限界(下限の限界)に合わせにいくしかないということです。

何が言いたいかと言うと、ソルトライトゲームでのベイトフィネスタックルは、有効性を追求するつもりで入ってはいけないスタイルということです。

釣りはあくまでも趣味の世界なので、良し悪しを評価するものでは無いことは明言しておきたいのですが、釣りのやり方や、狙う場所、使うリグ・ルアーを制限してもでも導入しないといけないのが、ソルトシーンにおけるベイトフィネスということになるので、良いように言うとマニアック、悪い言い方をするとヘンコ(関西弁)な釣りであると言うことをお伝えしておきたいと思います

ただ、デメリットだけかと言うとそうでもなく、メリットを感じることもあります。

それは、メバリングなどで、ある程度のウェイトを確保できるリグ・ルアーを使う際には、スピニングタックルと同等レベルの飛距離が確保できるし、バイトなどは巻き感度で感じ取ることも可能なので、釣りが快適に感じられる側面もあることも事実です。

以上、メインタイトルの話しとは少し違う話しなりましたが、ベイトフィネスのスタイルをソルトシーンで考える上で、大事な話しだと思ったので書いてみました。

スプールの回転は軽ければ良いのか?

それでは、そろそろ本題のキャストに関連することについて書き進めてみたいと思います。

え~、サブタイトルの質問に対して私なりの結論を先に書くと『YES』です。

もっと厳密に言うと、『軽い方が有利』、という答えになるかも知れません。

何はともあれ、クラッチを切ってルアーをキャストする際に、スプールが逆転してくれないとルアーは飛んでいきません。

ベールアームを起こせばいくらでもラインが出ていってくれるスピニングリールとの最大の違いは、ラインが放出される際のシステムの違いであり、そのシステムの違いからくる抵抗の違いかと思います。

なので、スプールの回転が軽ければ軽いほど、スプールはスムーズに逆転してくれるので、ラインは抵抗なく出ていってくれて、結果としてルアーが飛ぶことになります。

スプールの回転性能については、スプールの精度、スプール自体の自重、スプールの回転軸を支えているボールベアリングの性能など、いくつかの要素の複合により決まってきます。

スプールの精度は各メーカーの製造工程によるところが大きく、スプール自重もどれだけ軽くて強度のある素材を使っているかによります。

因みに、KTFの16アルデバランBFS用のスプールは、ダイワの最新技術の粋であるG1ジュラルミンを使っています。

スプールの強度はメーカー(サードパーティの製品も含む)がテストを繰り返して実釣に耐えられるレベルに落とし込んでリリースされているので、一般ユーザーが勝手にブランキング処理(肉抜き処理)などをすることは、スプールの強度を落とすことになり安易に行うべきではないチューニングです。

なので、一般アングラーができる回転性能アップの処理は、軽い力でもスムーズに回ってくれるボールベアリングの導入くらいになってしまいますが、小型のボールが使用されているマイクロボールベアリングなどはスプールの回転性能アップに効果のあるチューニングかと思います。

しかし、ここにも落とし穴と言うか、意識しておかないといけない点があります。

スプール回転の軽さの違いで、キャスト時のリリースポイント(サミングしている指を離すタイミング)が変わってくるというところです。

ここが今回の記事の本題。

次の章で詳しく書いてみたいと思います。

なお、スプールが軽く回ることだけが良いリールの判断材料ではないということは過去の記事でも書きました。

ベイトリールの一番の弱点であるバックラッシュの回避性能は、スプール自体の”慣性力(回り続ける力)”の小ささによるという話しです。

スプール素材を軽くすることは、スプールの慣性力を小さくする為の大きな要素を担っていますが、軽いスプールが無条件に慣性力の小さなスプールなのか?というとそうではないという話しです。

リリースポイントがズレる訳

さて、今回の記事の核心部分の話しです。

前の章でスプール回転は軽い方が高性能ということを書きましたが、スプールが軽い力で回転し始めるということは、キャスト時のサミング解除の瞬間からスムーズにラインが出ていってしまうと言うことです。

もっとわかり易くいうなら、サイドキャストの場合は、右ききの人が体の右側からロッドを振った場合には、体の正面よりも右側にルアーが飛んでいき易く、頭の上に振りかぶるオーバーヘッドキャストならテンプラキャストになり易いということです。

これは、非常に微妙な違い(コンマ数秒の違い)だと思いますが、スプール回転の悪いリールに慣れている人がいきなり投げると、必ず上記のようにルアーが思わぬ方向へ飛んでいくことになると思います。

この違いは、ノーマルの【シマノ 17カルカッタコンクエストBFS HG】とKTFスプールとIXAマイクロボールベアリングでチューンした【シマノ 16アルデバランBFS XG】でも如実に実感できるレベルで差が出ました。

当然、【シマノ 16アルデバランBFS XG】の方がスプールの回転の軽さも慣性力の小ささも優れている為に、持ちかえてすぐの数キャストはことごとくルアーが思った方向よりも右にズレて飛んでいってしまいました。
※私は右ききで、体の右側からロッドをサイドキャストする為。

スプールから指を離した非常に初期段階から勢い良くスプールが逆転する為に、ロッドを振ることによって発生する遠心力により、ルアーが外へ外へ出ていこうとしてしまい、このような事象が発生します。

なので、スプール回転が軽いリールを使ってキャストをする際には、キャスト時のスイングでロッドをしっかりとタメるようにしつつ、若干(非常に若干)ですがリリースポイントを遅らせる必要があるということです。

これを意識することで、正確に正面の狙った場所へルアーを打ち込むことができるようになります。

因みに、このキャスト方法により、ロッドのタメが大きくなり、よりロッドの弾性(反発力)を活かすことができるようになるので、結果としてルアーが良く飛ぶということになります。

なお余談ですが、リリースタイミングを変える要素はリールだけでなくロッド側にもあります。

よく、バスフィッシングで巻きモノの釣りをするには、グラスロッドやカーボンとグラスのコンポジット、または低弾性のロッドが使い易いと言われます。

これは、ロッドが簡単にしなってくれるので、キャスト時のリリースポイントを遅らせることができる。結果として、しっかりとタメて振ることができるので、キャストの精度も高くなるという話しです。

棒のように硬いロッドでは、スイングのプロセスの中でかなり早いタイミングで指を離さないといけなくなり、リリースタイミングも難しくなりますし、更には方向性のコントロールも慣れないと難しいと思います。

ただ、ロッドにはモノを投げるという機能以外にも、アタリを取ったり、魚の引きに耐えて魚を浮かせる機能も求められるので、柔軟に曲がってくれればいいという単純な話しだけでば選択できません。

ラバージグの釣りに、グニャリと曲がるグラスロッドは合わせ遅れの原因を作ることになるので向いていません。そういう釣りでは、フッキング要件から硬いロッドが必要になってきます。

リールの特性とロッドの特性、それぞれを組み合わせた時に、どんな特性(バランス)の”タックル”になるのか?を理解して使うことが大事という話しですね。

ベイトフィネスのキャスティング まとめ

と言うことで、ベイトフィネス専用機においては、リールの僅かな性能差を踏まえてリリースタイミングを変えていかないと上手く投げれないと言うお話しでした。

ただ、スプール回転の良し悪しの違いについては1つの調整方法があります。

スプールが軽く回りすぎるから投げにくいのであれば、メカニカルブレーキを若干強めに調整すれば、回転の悪いリールと同じ状態にすることが可能です。

まぁ、これは本来の調整ではなく、あくまでも慣れるまでのツナギの調整でしかないのですが、スプールが回り過ぎてバックラッシュが怖くてロッドを振りぬけないのは本末転倒。

もし、そうなら、リールの特性になれるまで、少しだけメカニカルブレーキを強めに設定してロッドをしっかり振ることに慣れた方が良いと思います。

慣れてきたら、少しずつメカニカルブレーキを緩める。

緩めることで、キャスト時にラインが暴れるようなら、マグネットブレーキや遠心ブレーキを強くしてコントロール。

リールに慣れてくれば、第3のブレーキであるサミングも交えることができるようになってくると思います。

メカニカルブレーキは、緩くすると言っても限界があり、スプールそのものが左右にガクガク動くようでは緩めすぎ。

そこまで緩めると、緩めることによりライン放出が良くなるメリットが無くなってしまい、スプールが動く事でマグネットブレーキや遠心ブレーキの効きが不安定になるデメリットが大きくなってしまいます。

なので、メカニカルブレーキの設定限界は、スプールが左右にガクガクしないギリギリがベスト。

ここまでメカニカルブレーキを緩めて使えるようになっていれば、後は風などの影響を踏まえつつ、マグネットブレーキや遠心ブレーキの調整とサミングによりスプール制動はコントロールできるはずです。

とにかく、自分が使うベイトリールの特性を意識して投げ方・設定をコントロールすることで、使いやすさは変わってくる。逆の言い方をすると、リール特性により、投げ方も含めた使い方が変わってくるということです。

今回は、主にリールの観点からベイトフィネスタックルの話しを書きましたが、またタイミングを見て、ベイトタックルの各社リールの特性の違いとタックルのトータルバランスの話しについて書いてみたいと思います。

いまだに、私の稚拙なブログでも、アクセス数の一番多い記事は、ここ何年もずっとベイトフィネスタックルに関する過去の記事です。

ルアーアングラーにとって、ベイトタックルは永遠の関心事であり憧れなのかも知れませんね。

<参考>ベイトフィネスリール

毎年、どんどん進化したリールが発売されていくので、今回ここで紹介するリールも数年後には過去のリールになるんでしょうね。

しかし、リールもここまで来たか、というレベルに到達しているのではないかと感じます。

■ダイワ T3 AIR
発売当初は手に入らないくらい人気の機種でした。
Tウィングシステムによるストレスフリーな飛距離。今でも現役で販売されているところからも、基本性能の高さが伺えます。ただ、残念なのはソルトで使えないことでしょうか?

■ダイワ アルファス AIR
ダイワのベイトフィネス機としてリリースされたアルファスも、ここまで来たかという感じです。
アッパーミドルクラスのベイトフィネス機として、複数持つには最高のバランスではないかと感じています。

■ダイワ SS AIR
これはT3AIRの血を引く最新のベイトフィネスリールです。
性能は間違いないと思うのですが、残念なのは、ネーミングに夢が無い点です・・・
また、こちらも淡水専用です~

■シマノ 16アルデバランBFS
言わずと知れた、シマノロープロファイルのベイトフィネス最新機。
FTBは最高に使い易いです。
デザインやカラーもソリッド感があって個人的には好みです。

■シマノ 17カルカッタコンクエストBFS HG
こちらもFTBを搭載した、丸型リール初のベイトフィネス機。
マイクロモジュールギアによる究極の巻き心地を味わいたいのであれば、迷わずオススメのリールです。200gの重量も実際に使ってみればさほど気になりません。
KTFからチューンドスプールが発売されれば即買いなのですが(^^;;

これら以外にも、ベイトフィネス機の有名どころとしては、ピュアフィッシングのABUのREVOシリーズがありますが、その紹介は別の機会にしてみたいと思います。

【Revo “KAHEN”】ヤバそうです (^^;;

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