こんにちは!
いつもこちらのブログを読んでいただきありがとうございます。
NABRA Chase Fishing GONTA です。
今日から4月。新年度ですね。
新元号も発表されて、何かと新しい時期が来ている感じで落ち着きません。
が、海を越えたアメリカで今年から発足した新しいバスプロ組織『“MFL” Major League Fishing』が主催の新しいバスプロトーナメント『Bass Pro Tour』の第3戦が先週末に開催されました。
この新しいバスプロトーナメントトレイルには、BassmasterのTOPカテゴリーであるElliteシリーズの選手が大量に移籍しており、メンバーだけを見ると新組織にして既にアメリカのTOPトナーメントトレイルと言える状態になっています。
ケビン・ヴァンダムや、マイケル・アイコネリ、アーロン・マーティンス、ブランドン・パラニューク選手など、ベテランから若手までの有力選手がエントリーしており、日本人選手でも、大森選手や深江選手などもBassmasterから移籍をしています。
BassmasterとMLFの掛け持ちができるのでは?とも思うところですが、日程の重複などもあり、掛け持ちは難しい状況のようで、バッサリ移籍になっているようです。
この組織の発足については、昨年末にこちらのブログでも触れたことがあるのですが、その後具体的な試合については触れてきていませんでした。
今回、日本人選手の活躍もあったことから、改めて記事にしてみることにした次第です。
では、アメリカのバスプロツアーに関心がある方は、お時間のある時にお付き合いいただければ幸いです。
まずは、この新しいトーナメントのレギュレーションを簡単にご説明しておきます。
日本のバス釣りの大会もそうですが、これまでのアメリカのバストーナメントは、B.A.S.S.でも、FLWでも、ウェイインに持ち込める魚の数が決まっており、これが『バッグリミット』と呼ばれています。
持ち帰れるサイズには下限が決められていて(フィールドにより変わる)、この下限をクリアした魚がキーパーと呼ばれています。
バッグリミットは5匹のパターンが多いのですが、このバッグリミット制があるので10匹釣っても20匹釣っても検量(ウェイイン)に持ち込める魚の数は決まっており、リミット以上の数が釣れれば、釣れる度に大きな魚に入れ替えていくという仕組みになっています。
大会を見ていると、この入れ替えもなかなか見応えのあるポイントであり、自分が参加している時を思い出しても入れ替えは非常に楽しい瞬間でもありました。
この長い歴史を持ったバッグリミット制ですが、Bass Pro Tourではこの制度がありません。
なので、沢山釣った方がウェイト的に上位に行ける可能性が高くなるという仕組みで、キーパーを20匹釣ってもサイズが上がらなければ上位進出が難しく、恵まれたサイズ5匹を釣った人の方が上位に行くというこれまでのトーナメントの常識を覆すレギュレーションとなっているのが大きな特徴です。
また、大会の進行についてもこれまでに見たことのない仕組みが導入されています。
これまでの大会では、全員で行う予選が2日ほどあり、その予選の上位者がセミファイナルステージやファイナルステージに進めるというものでした。
※Elliteシリーズでは4日間の大会なので、予選が2日間、セミファイナルステージが1日、ファイナル(決勝)ステージが1日という仕組み。ひとつ下のカテゴリーのOpensでは、予選が2日間で決勝が1日になっています。
BPTでは、参加者が全員で80名となっており、グループAで40名、グループBで40名に分けられ、それぞれのグループで予選が2日間行われます。
且つ、予選のフィールドは1日目と2日目では違う場所で行われるので、予選だけで4日間の期間を使うことになります。
この予選が、『ショットガン・ラウンド』と呼ばれています。
初めて聞く方にはわかりにくいかもしれませんが、今回の第3戦を例にして見ると、グループA、Bそれぞれの予選の1回目は、ジョーダン・レイク。
Day-1は、グループAがジョーダン・レイクで試合。Day-2はグループBがジョーダン・レイクで試合。
Day-3はフィールドチェンジとなり、グループAがフォールズ・レイクで試合。グループBがフォールズ・レイクで試合を行っています。
このショットガン・ラウンドにおいて、各グループの上位20名が次のステージに進むことができます。
大会の5日目は、各グループを勝ち抜いた40名によって『ノックアウト・ラウンド』として開催され、このラウンドにおて上位10位までに残れれば、最終ラウンドとなる『チャンピオンシップ・ラウンド』に駒を進めることができる、という仕組みです。
なお、ノックアウト・ラウンドでは予選であるショットガン・ラウンドでの正式はゼロクリア。
チャンピオンシップ・ラウンドでは、ノックアウト・ラウンドの正式はゼロクリアされますので、上位ラウンドに進出できれば、横一線で大会をスタートする仕組みになっていますので、結構逆転劇が起こりやすいレギュレーションになっているかと思います。
試合を行うフィールドもころころ変わるので、フィールドとの相性という観点でも、逆転が起こりやすいということも言えるかと思います。
と言うことで、非常に日数のかかる、参加者としては大変な大会ですが、今回の第3戦では、予選となるショットガン・ラウンドを大森選手が13位で通過。
深江選手は残念ながら予選突破ならずでした。
<出展:Major League Fishing>
セミファイナルラウンドとなる、ノックアウト・ラウンドではドラマが起きたようです。
残り時間3分の状態で、その時点での暫定順位が12位だった大森選手ですが、ここで7ポンドフィッシュを追加することに成功。
一気にランクを上げて、10匹のウェイトを26ポンド台まで引き上げて7位となり、見事に決勝ラウンドに進出されています。
アベレージも2ポンド台(=約1kg)と素晴らしいウェイトです!
<出展:Major League Fishing>
そして、試合には勢いというものもありますね。
決勝ラウンドのチャンピオンシップ・ラウンドに進出した大森選手は、スコアゼロクリアの横一線の中での試合において底力を発揮。
この日は朝は濃霧のスタートとなったようです。
<出展:Major League Fishing>
MLFのホームページ上で紹介されている決勝ラウンドの写真からは、皆さん浅いレンジをメインに狙っているようでした。
優勝パターンもスポーニング絡みの魚がメインだったようです。
大森選手はショア寄りを釣っていないようにも見えますが、シャローに上がってくる前の魚を狙っておられたのかも知れません。
<出展:Major League Fishing>
そんな中、大森選手は1日で52ポンド(=23kg)を釣って、堂々の3位入賞となりました。
<出展:Major League Fishing>
ウェイトこそ3位ながらも、釣り上げた数では優勝のジェイコブ・ボロズニックに肉薄する19匹をキャッチ。
完全に魚が見えていた、ということが言えるかと思います。
因みに、決勝ラウンドのフィールドは、予選では使われていなかった、シェアロン・ハリス・リザーバー。
叩かれていないのでフレッシュと言う見方もできますが、違った観点では釣りをしていないフィールドなので状況がわかりにくいということも言えるかと思います。
環境変化へのアジャスト力も真のTOPアングラーであることが実証された大会だったかと感じます。
<出展:Major League Fishing>
と言うことで、MLF BTPの第3戦の模様でした。
総勢80名のツアーですが、アメリカのTOPアングラーが凝縮されているので、ここで勝ち残るのは非常に厳しい状況と言えます。
しかし、大森選手は第3戦終了時点で19位。
暫定TOPのエドウィン・エバース選手とは50ポイント差になりますが、まだまだこれからですね。
<出展:Major League Fishing>
そして、今後の予定ですが、第4戦は次週の4月9日からスタート。
第5戦は、4月30日スタートです。
全部で7戦のようですので、折り返しになる第4戦~第5戦は非常に重要な試合になるかと思います。
大森選手の上位進出も楽しみですが、深江選手の巻き返しにも大いに期待しています。
更に、目線をBassmasterに戻すと~
今週には、『Bassmaster Central Open 第2戦』が開催されます。
こちらも日本人選手が多数活躍しています。
今年はアメリカでのバスプロツアーから目が離せません!!