こんにちは!!
いつもこちらのブログを読んでいただきありがとうございます。
NABRA Chase Fishing GONTA です。
さて、今回は釣りをし易くする為の工夫が凝らされたアイテムについてピックアップしたいと思います。
リールにロッド、タックルボックス、その他便利グッズなど釣り具はどんどん改善されていきますね。
メーカーでの研究から、個人レベルのアイデアまで、いろいろなアイデアが考えられ、いろいろな製品がリリースされています。
ダイワさんのTWS(Tウィングシステム)などは、画期的な作りに驚かされたことを覚えています。
私がバス釣りを覚えた30年ほど前ではマグネットブレーキシステムそのものが画期的でしたが、今となってはその細分化がどんどん進んでいます。
まさに日々進化ですね。
そんな中でも、JBのトーナメンターであり、釣具屋のオーナーである方がオリジナル製品化された興味深いロッドに目を惹かれました。
理屈を考えると『なるほどな』と思わされるロッドですが、もしかすると今後のスタンダードになるかも知れません。
では、具体的に見ていきたいと思います。
お時間がある時にお付き合い頂ければ幸いです。
ロッドで感度を上げるにはどうすれば良いか?
いきなり、本題にズバっと入っていきたいと思います。
タックルの感度を上げることは、いろいろな釣り具メーカーが常に意識していることだと思います。
ロッドで言えば、ブランクス素材で振動伝達性の高い素材を選んだり、そもそも重量を軽くして人が感じる感度を上げたり。
グラスロッドからカーボンロッドに進化したのは、間違いなく軽量化による感度アップの要素が大きいと思います。
竿が長くなればなるど、重い素材のロッドはロッド自身の重さに加えて持ち重り感も増しますし、重いロッドを支える為に握る力も必要になります。
カーボンロッドは軽い上に素材に張りもあり反撥力も強い訳で、素材が持つ感度の良さに加えて、釣り人は軽い力でロッドを支えることができるので、結果として高い感度を確保することができることになります。
ここまでは素材自身の感度の問題ですが、延べ竿とリールを使用するガイド付きロッドとでも、感度を左右する要素は変わってきます。
延べ竿は、竿の先で繋がっているラインで拾った情報をロッドのみを伝って釣り人の手に伝えますが、リールを使ったタックルの場合はラインは手元のリールまで繋がっているものの、ラインが拾った情報はリールから感知するよりもロッドを通して感知する割合の方が圧倒的に多くなります。
ルアーフィッシングの場合、『巻きの釣り』などでは、リール自身の巻き感度の違いもあります。これはリール自身の剛性や精度に左右されます。
しかし、ほとんどの情報(魚のバイトや、水中の何かにコンタクトした衝撃など)はラインを通してロッドに伝えられ、そして釣り人が手で感知することになります。
では、ラインで拾った情報がどのようにロッドに伝えられるか?を考えてみましょう。
延べ竿のようにロッドにラインが直結されている訳では無いので、ラインが常に触れているガイドを経由してロッドに情報が伝えられる仕組みになっています。
ガイドはラインの放出・回収の為のルート機能を果たしているだけでなく、ラインの情報をロッドに伝える役割を果たしています。
なので、ベイトフィネスの流行と共に広がったマイクロガイドシステムは、ガイド径を小さくすることと、ガイド数を多くすることで、ラインの情報を少しでも多くロッドに伝達する機能を実現するガイドシステムになります。
ただ、ガイドと言うのはライン放出を邪魔する抵抗になる存在でもあるので、キャストで飛距離を稼ぎたい釣りではガイド数が多いのはナンセンスということになります。
メーカーによっては、マイクロガイドシステムの方が飛ぶという紹介をされているところも見たりしますが、それは使用するリールやラインのセッティングがベストな状態の時で、物理的に考えればガイドは口径が大きい方がラインの抜けは良いはずですし、少ない方がラインがガイドに振れる度合いも減るので、結果として飛距離も稼げると思っています。
ここで、今回の本題のガイドシステムですが【ジグザグガイドシステム】という名前が付けられています。
昨シーズンまでJB TOP50に参戦されていた青木プロが考案されたガイドシステムのようですが、青木さんはルアープロショップをかなり昔から経営されていて、【G-nisu project】というオリジナルブランドも立ちあげておられます。
G-nius project のサイトはこちら
オリジナルリールも販売されており、ルアーニュースRなどの情報では2022年シーズンから今江プロのリールをサポートすることになっているようですね。(アブガルシアとの契約解除の話しもあり)
青木さん自身は昔からロッドのリメイクなどもされており、私もロッドのガイドをPE対応のガイドに替えてもらったりしたこともありますが、ロッドとガイドの関係や相性など非常に研究熱心な方です。
そんな青木さんが考えられた【ジグザグガイドシステム】ですが、本来?(今まで?)であれば一直線に並べてブランクスに装着されていたガイドを左右にジグザグにズラすことで、ラインがガイドに接している状態を強制的に作り出してしまうという仕組みになります。
ラインを張った状態では、確実にラインとガイドが接しているのが画像からも見て取れるかと思います。
一見、ラインのガイド抜けが悪そうにも感じますが、その辺りは実釣含めて検証されているかと思いますし、フロロやナイロンラインの通しであれば問題無さそうなイメージが持てます。
今江さんも感度の面で驚いた、とコメントされていますので、このシステムがもたらす感度アップ効果は間違いなくある、と言えるかと思います。
スパイラルガイドシステム もありましたね
標準的なベイトロッドのガイドシステムと違うというと、ガイドをブランクスの下側に付けるガイドシステムがありましたね。
エバーグリーンのクオッドツイスターや、こちらのブログでもピックアップさせてもらったことがある【ケイテック カスタムロッド】などで採用されている【スパイラルガイドシステム】で、普通のベイトロッドはガイドが全てリールがある側に並んでいるものを、バット部くらいからロッドの下側にくるように少しずつズラしてセッティングされたものです。
ケイテック カスタムロッドのピックアップ記事はこちら
ただ、こちらのガイドシステムは感度向上目的と言うよりは、止めて誘う釣りにおけるスピニングロッドの操作性のメリットを実現する為の仕組みだったと理解しています。
個人的には非常に使い易さを感じており、子供の悪戯でガイドが折れてしまっているクオッドツイスターについては、早く修理に出して使いたいと思いつつ何年も放置してしまっています(汗)
ケイテックさんのカスタムロッドも気になりつつ、購入にまで至っていないのですが、最近ではあまり話しを聞きませんね。
市民権を得られることがなかったのが、スパイラルガイドシステムなのかもしれません。
ガイドセッティングの重要性について
最期にガイドセッティングについて書いておきたいと思います。
ベイトロッドでもスピニングロッドでも、リール側に近いガイドは口径が大きく、ティップ側にいくにしたがって小口径ガイドになっていくのは、ある意味当たり前のセッティングとして見ていますよね?
しかし、ロッドによってベントカーブ(ロッドの曲がり)は異なりますし、長さが同じロッドだとしても、同じ位置に同じ口径のガイドが付いていれば良いというものではありません。
ちゃんとしたメーカーさんであれば、ガイドセッティングがどうなっているのかをちゃんと図示で明示されているところも多く見ます。
リール側のガイド口径が大きく、ティップ側が小さいのは、リールから放出されたラインのブレをガイドで徐々に収束させていくようにセッティングされているのです。
なので、スピニングリールはスプールから放出されたラインのブレ(バラつき)が大きいので、一番最初のガイド(ファーストガイド)は大きくしておかないと、ラインがガイドに当たり過ぎて飛距離が落ちたり、最悪の場合はキャスト切れ(ラインブレイク)を発生させてしまうことになります。
ベイトリールはレベルワインドのガイドのところで既に収束されているので、ファーストガイドが小さくてもトラブルになりにくいということです。
因みに、シマノを始め、ラインガイドが小さな筒状のものを装着しているリールはラインの収束度合いが強いので、ロッドのファーストガイドは小さくても良いのですが、ダイワのTWSだとリールから放出された時にはスプールの幅いっぱいのブレがある状態でラインが出ていきますので、ファーストガイドがあまりに小さいと、ここで干渉して飛距離をロストしたり、ラインがガイドの外側まではみ出ることでラインブレイクを引き起こしたりします。
ベイトロッドと言えども、リールのライン放出特性は無視できないし、それを意識したロッド選びが結構重要であることがご理解いただけるかと思います。
また、ファーストガイドからトップガイドまで、それぞれどこに、どのサイズのガイドが付いているか?には、セッティング上の意味があります。
それは、ラインを張った状態で各ガイドにラインがちゃんと当たるようにセッティングされているのが正しい仕様になります。
なので、ロッドの素材や装飾などにPRの主軸が置かれがちになりますが、ガイドセッティングはテキトーにされているロッドも実際に存在しますので、可能であればこの辺りの設計に関するメーカーさんの知見や配慮も知った上でロッドを購入されるのが良いかと思います。
まぁ、歴史もあって有名どころのメーカーさんのロッドは、この点はクリアされているかと思いますし、販売にこぎつけるまでにテスターの方々がしっかりとチェックされていれば間違いは無いかと思います。
以上、意外と気にされないし注目されないロッドのガイドセッティングのお話しでした。
感度を上げる工夫のガイドシステム まとめ
と言うことで、今回はガイドシステムに注目して記事を書いてみました。
ロッドと言えば、主にブランクス素材や軽さなどが注目されますね。最近では東レのナノアロイを利用した”NANO”を冠したロッドも多く見かけます。
しかし、どれだけ優れた素材を利用してブランクスが作られていても、ガイド設定がしっかりと設計されていないとロッドとしての価値は半減してしまうと思っています。
そういう意味では、フィールドテスターがしっかり揃っているメーカーさんが販売されているロッドは安心できると思います。
ダイワのハートランド製品などは、村上さんの拘りが詰ったロッドになっていることは、YouTubeなどで紹介されている製品紹介などを見ていてもわかるかと思います。
また、大手企業製品でなくても、Proアングラーさんが運営されているロッドメーカーさんの製品などもフィールドでしっかりと実釣テストがされた上でのリリースかと思いますので安心して使えるのではないかと思います。
シーバスだと、AIMSさんのロッドなどは代表の橋本さんがエキスパートアングラーなので信頼できますね。それなりの歴史もある点も含めて安心して使えるロッドだと思います。
Fishmanさんなどもベイトロッド専門という観点では代表の赤塚さんの知見・経験は製品に信頼につながっているかと思います。
最後に話しをガイドセッティングに戻しますが、今回ご紹介した【ジグザグガイドシステム】などは、ガイド設定に着目した走りだと感じています。
❝ガイドセッティングは真っすぐ取り付けられているのが当たり前❞というのが常識だったかと思いますが、その常識は過去のものになろうとしています。
常に良いもの・改善が意識され、製品が研究され、そして結果として良いものが市場にリリースされ、私たちユーザーがそのメリットを享受できる。
こんな良いサイクルがどんどん実践されていけば、釣りの業界もまだまだ発展するでしょうし、グローバル化が進む現状を考えるとジャパンクオリティは海外にも認められていくのではないかと思います。
電化製品の世界では既に中国や韓国の勢いに押し負けている感がありますし、自動車などでもトヨタが世界の自動車販売台数ではTOPですが勢いはテスラに負けています。
バスフィッシングにおいては本場アメリカに追いついているのかどうかは意見が分かれるところかとは思いますが、道具という観点では日本メーカーの品質は十分高く評価されていると思います。
また、海に囲まれた日本だからこそ、広い意味での❝釣りというジャンル❞においては世界をリードできる、そして目指すべき存在になれれば素晴らしいと思う今日この頃です。