オオクワガタのペアを産卵セットに投入!
さて、次の作業はオオクワガタのペアを産卵セットに投入です。
少し前に調達したオスの81mmのオオクワガタも元気にエサを食べてくれていましたし、メスも同様にしっかりとエサを食べてくれていたので、機は熟したと判断してのブリーディング開始です。
オオクワガタは材産み(産卵用の木に卵を産み付ける)なので、通常のオオクワガタの産卵セットは、産卵木としてクヌギやブナの木を水に浸けて水を含ませたものを、発光マットの上に置くのが一般的です。
私も過去にこのセットでブリードに挑戦したことがあるのですが、大きな幼虫に育てようと思った場合、卵から孵化した時点から栄養素の高い菌糸を食べてくれた方が有利になります。
材産みをさせて、割り出し(卵や幼虫を産卵木から取り出す作業)をする際に、の状態で回収できた場合は良いのですが、全ての卵を孵化前に回収することは不可能なので、大体の場合は半分以上は割り出し時に幼虫になった状態です。
そこで考え出されたのが、最初から菌床(菌糸の塊のブロック)に産卵させてしまうという方法です。
クワガタの菌糸ビンなどを販売されているショップさんなどでは、菌糸のブロックそのままを販売されているところも多いので、菌床を入手するのは難しい話しではありません。
菌床を産卵に利用する場合は、産卵木をセットする代わりに菌床をセットするだけになりますので、産卵セットの準備についても手間はかかりません。
逆に、産卵木を使う方が、乾燥した産卵木を数日水に浸けておく工程が発生するので手間がかかるくらいです。
そんな菌床産卵セットですが、『月夜野 きのこ園』さんからは、昆虫飼育用のクリアケースを使って菌床を作り、産卵セットとして販売されているのを発見したので、今回はそれを使ってみることにしました。
このセット、菌床が詰まった小サイズのコバエシャッターケースと、エサ皿用の木、そしてエサ、転倒防止用のハクスチップが全部セットになって1000円くらいで販売されています。
初心者の方は、セットが簡単で無駄が無いので便利で手軽ですし、ブリード経験者の方にとってもこれらのセットをバラで準備すると1000円以上はかかってしまうので、コスパ的にも悪く無いセットだと思います。
セットの手間もほぼ発生しません。菌床が入っているケースにエサ皿をセットし、空いているスペース全面にハクスチップを敷き詰めるだけでセットの作業は終了です。
産卵が終わった後、卵や幼虫の割り出しが終われば、ケースはそのまま成虫飼育にも使えますので無駄がありません。
なお、菌床を使ってのブリードをおススメするにはもう一つ理由があります。
産卵木にて産卵させると、割り出しの時に産卵木を砕いて卵や幼虫の採取をしなければならないのですが、木を砕いていく作業が結構手間な上に、卵や幼虫という繊細な相手を慎重に取り出していかないといけないので結構気を遣う作業になります。
この点、菌床は元々がクヌギやブナのオガクズに菌糸を繁殖させたもおなので、割り出し作業が楽なのです。簡単に手で崩すことができるので、子供でも少し注意をすれば十分採卵が可能なのも大きなメリットです。
ベーシックに産卵木にて幼虫採取をされたい方は仕方ありませんが、割り出し作業の負荷を低減させつつ、孵化時から高栄養の環境で幼虫を育てたいという方は、一度、菌床を利用してのブリードを試されてはいかがでしょうか?