釣りTips

【釣りTips】ベイトリールのブレーキ特性を深掘りしてみる

こんにちは!

いつもこちらのブログを読んで頂きありがとうございます。
NABRA Chase Fishing GONTA です。

さて、ここ最近、いろいろなベイトリールの紹介をしてきております。

実際に自分で買って使ってみたり、カタログベースで見た情報をピックアップしてみたり。

全てのリールを買って使ってみることはできないのですが、どうしても使ってみたくなったリールについては実際に購入した上でインプレを書いてみたりしています。

リールの種類はメーカーの違いも含めて星の数ほどありますが、補助ブレーキについては大きく2種類、遠心系とマグネット系に分けられるかと思います。

まぁ、シマノのデジタルコントロールもありますが、ちょっと独自性過ぎて比較はできないので、ここは最後に少しだけ触れるようにしたいと思います。

遠心ブレーキ/マグネットブレーキ、それぞれにメリットもあれば、デメリットもありで、どちらかが絶対に良いというものでもないところが、使い手を悩ませます。

と言うことで、今回はブレーキのタイプ別に特性を自分の実釣経験も踏まえて改めて分析してみたいと思います。

釣りのスタイルや主に使うルアーの違いによって相性があるかと思いますので、メーカーさんは敢えて言わないことなども含めて書いてみたいと思います。

それでは、関心のある方はお時間のある時にお付き合い頂ければ幸いです。

安定の使いやすさ 安心のマグブレーキ

まず、最初にマグネットブレーキからいってみたいと思います。

マグネットブレーキと言えばダイワですね

最近ではシマノのフィネス向けのブレーキ(FTB)もマグネットブレーキですが、王道はダイワかと思います。

マグネットブレーキの構造も、ABUなどはサイドプレートに装着されたネオジム(小型の強力なマグネット)でスプールに磁力をかけるタイプですが、ダイワのリールはサイドプレートに円柱状のマグネットが装着されていて、スプール側にセットされている金属の円柱(インダクトローター)がサイドプレート側に飛び出して磁力を受けるという構造が特殊です。

マグフォースと言われるダイワオリジナルのブレーキシステムですね。

スプール側にセットされたインダクトローターが固定されているものが『マグフォース』であり、インダクトローターがスプール回転に連動してせり出したり引っ込んだりする機能を追加されたのが『マグフォースZ』や『SV(ストレスフリーバーサタイル)』と言われるブレーキシステムのバリエーションになります。

因みに、『マグフォース』はインダクトローターが固定式なので、キャスト直後から着水まで一定のブレーキがかかる、という認識の方もおられるようですが、スプール回転の違いにより渦電流の発生度合いが変わるのでスプール回転数にブレーキ力が連動しますので、ここはご注意ください。

<引用:ダイワ公式HP>

マグフォースZ

まずは、『マグフォースZ』から見ていきたいと思います。

『マグフォースZ』はインダクトローターはスプール回転が高くなると、遠心力を利用してサイドプレート側にせり出す仕組みになっているので、キャスト直後の高回転時にはサイドプレート側の磁力体にインダクトローターが深く入り込むので強いブレーキ力を発揮し、回転数が落ちてくるキャスト後半ではインダクトローターが引っ込んでブレーキ力も弱まり、キャスト後半での伸びを実現するようになっています。

『マグフォースZ』はインダクトローターの可動幅をコントロールするバネが強く設定されているので、キャスト直後はしっかりとブレーキがかかり、回転数が落ちてくると一気にブレーキが弱まるのが特徴で、遠投シーン向きのブレーキシステムになります。

<引用:ダイワ公式HP>

SVブレーキ(ストレスフリーバーサタイル

また、マグフォースZとは違うブレーキ特性を持つSVブレーキというのも存在します。

こちらのブレーキは、見た目はマグフォース系と同じ構造に見えるのですが、インダクトローターがせり出す仕組みに違いがあります。

SV系のブレーキは、スプールとインダクトローターの回転速度が違う時に発生するネジレ状態でインダクトローターがせり出す仕組みになっているので、キャスト直後に一番大きなネジレが生じて強いブレーキ力が発生し、スプールとインダクトローターの回転速度が同期してくるとインダクトローターが引っ込んでブレーキ力が弱くなる構造です。

このSV系のブレーキは、SV(ストレスフリーバーサタイル)と言うだけあって、誰が使っても適正なブレーキ力を発揮させ易いので、初心者でも使いやすくバックラッシュもほぼ無いのが売りのブレーキです。

マグフォースZよりもインダクトローターが磁石部に入っている幅が大きいのと、マグフォースZよりもバネの硬さが弱いようで、着水間際までブレーキがかかり続ける特性があります。

<引用:ダイワ公式HP>

実際、余程ブレーキ設定を弱くしない限り、ノーサミングでもバックラッシュしません。

しかし、このブレーキがしっかり働く特性が故に、飛距離を伸ばすのは少し苦手というのがSV系ブレーキ搭載のリールの弱点かと思います。

普通に使っている分にはほぼ不満は無いレベルかと思いますが、飛距離という側面だけを捉えた時にはマグフォースZのブレーキに軍配が挙がるという感じです。

ただ、観点を操作性という側面に変えると話しは変わり、バックラッシュリスクはマグフォースZの方が高くなります。

マグフォースZ-PE & HLC(ハイパーロングキャスト)

因みに、マグフォース系のブレーキモデルには特化型のものがあります。

最近の機種には採用されていませんが、『マグフォースZ-PE』というPEラインの特性を踏まえてPEライン使用前提にセッティングされものや、今でも現役で使われているスティーズや少し前のモデルのジリオンに採用されている『HLC(ハイパーロングキャスト)』などです。

ある程度重量のあるルアーをフルスイングで遠投することができる機能に特化しており、ブレーキ力を左右するインダクトローターそのもののサイズや金属の厚みが変えられています。

PEラインでフルスイングをする場合は、スプールが軽い分回転の立ち上がりが良いので、キャスト初期のブレーキ力がより必要になります。

なので、インダクトローターは少し薄く作られているのと、せり出る幅が大きく設定されており、キャスト初期はしっかりブレーキが掛かりつつ、インダクトローターが戻れば一気にブレーキ力が低減して後半の伸びをサポートしてくれる仕様になっています。

ある程度サミングが身についている方には全く問題無いかと思いますが、サミングは必須のブレーキシステムなので、できるだけノーサミングで使いたいという方にはSV系ブレーキのリールの方が良いかと思います。

SV BOOST

そして、ダイワのマグネットブレーキ系の最後になりますが、昨年の2021年にリリースされたのが【SVブースト】スプールになります。

ブレーキシステムとしての構造に大きな違いはありませんが、スプール側の構造の見直しがなされており、ブレーキが2段階で働く仕組みになっているのが【SVブースト】です。

<引用:ダイワ公式HP>

キャスト直後の高回転時にはインダクトローターが最大でせり出しますが、回転数が落ちてくるキャスト中盤~後半ではインダクトローターのせり出しが1段戻ってブレーキ力が下がり、後半での飛距離の伸びを実現することを狙った作りになっています。

ただ、それでもやはりSV系のブレーキシステムはブレーキがかかり過ぎ(過ぎという表現も微妙ですが)なので、キャスト後半の伸びやブレーキの抜け感という観点では遠心ブレーキに分があるという感じです。

① 風向きの変化などを気にせずにトラブルレス重視で選びたい
② ボートでの釣りがメインで飛距離は優先事項では無い
などの方の場合は、SV系ブレーキのリールが向いているかと思います。

因みに、ダイワのリールはスプールなどの互換性が高いのも魅力のひとつかと思います。

YouTubeなどの動画などで紹介されている情報を見ると、21スティーズなどのSVブーストスプールを、スプールの仕様(スプール径やスプール幅)が同じリールに移植して使えるので、SVスプール標準装備のリールにおいてSVブーストスプールに交換して使うのもアリのようです。

AIRブレーキ(ベイトフィネス特化

この他、マグフォースZでもSVでも無いモデルとして、軽量ルアー特化型(ベイトフィネス特化)の『AIRシリーズ』があります。

繊細なバネを使用することで小さい力でもインダクトローターがせり出し、軽量リグのキャスト時にブレーキ力が邪魔し過ぎないようなチューニングがされたブレーキです。

アルファスから搭載開始されましたが、2年ほど前からフラッグシップのスティーズにもラインナップされています。

以上、利用シーンや使い手側のスキルも踏まえた多くのラインナップが取り揃えられているのがダイワのマグネットブレーキ系リールの特徴になります。

一見じゃじゃ馬?遠心力ブレーキ

続いて、シマノを代表とする遠心ブレーキ系について見てみたいと思います。

ひと昔?前では、ABUのリールでも遠心ブレーキのモデルがありましたし、RYOBIのリールなどでも遠心モデルが存在しましたが、最近ではシマノ以外のメーカーでの遠心ブレーキモデルは減ってきているように感じます。

あくまで個人的な感覚なのですが、遠心ブレーキモデルは構造が複雑でパーツが多く必要になるイメージを持っています。

SVSブレーキは比較的シンプルですが、SVSインフィニティブレーキなどはかなり複雑な構造で成り立っていると思いますし、FTB(フィネスチューンドブレーキ)などもまぁまぁ凝った構造でマグネットブレーキの力をスプールに伝達する仕組みになっています。

これに比べてマグネットブレーキは、スプールに対して磁石の力を利用してブレーキを掛ける非接触型なので作りやすいように思います。
※ダイワのマグフォースは特殊な磁力体を利用しているので別ですが

なので、敢えて遠心ブレーキに拘ったリール作りをされているシマノさんのリールは気になりますし、遠心ブレーキの特性を活かした使用感もまた気になるものです。

SVSブレーキ

昔に使っていた6ピンのSVSブレーキは、当時は画期的なブレーキだと思っていましたが、ブレーキ力調整の為に都度サイドプレートを開けないといけないのが不便でネックでした。

<引用:ぶ~てんブログ

最近では、私も愛用させてもらっている【シマノ スコーピオンMD】などでは、8ピンのブレーキユニットを有するタイプまで出ており、ビッグベイトなど空気抵抗の大きなルアーをより扱い易くする為の工夫も見られます。

ブレーキシューには、半透明で軽い素材のものとソリッドホワイトの硬くて少し重い素材のものが標準で付いてきます。

これらを組み合わせることで更に細かいブレーキ設定も可能となっています。

しかし、最新のSVS∞(インフィニティ)はスプールに装備しているブレーキシューでの調整に加えて、外部ダイヤルにてブレーキ力を調整できるので、調整の簡単さと言う点ではマグブレーキ系と肩を並べる状態になっていると思います。

SVS INFINITY(∞)

<引用:シマノ公式HP>

そして、遠心ブレーキの何よりのメリットはキャスト後半のブレーキの抜けによる伸びるようなキャストフィールかと思います。

遠心力ブレーキは物理的な接触(摩擦)によるブレーキで、ブレーキシューが遠心力でサイドプレートの内側に押し付けられることでブレーキがかかります。

なので、スプール回転数が高いキャスト初期は強いブレーキが効いて、後半になるしたがってアナログにブレーキ力が落ちていく為、キャスト後半で伸びを感じるキャストフィーリングが味わえます。

『キャスト後半で伸びを感じるキャストフィーリング』というのはメリットとしての評価になりますが、ここは諸刃の剣でもあります。

キャスト後半でブレーキ力が弱まってきているタイミングでルアーが風の影響などを受けて失速すると、スプールが過回転となりバックラッシュの発生となります。

遠心ブレーキの最大の弱点(デメリット)は釣り場の環境の変化への対応能力がマグブレーキよりも弱いという点に尽きると言えます。

風が無かったり、追い風などの状況で釣りができるのあればデメリットとして表面化しませんが、向かい風が絡みつつ風向きがコロコロ変わるような状況では結構扱い辛いじゃじゃ馬ぶりを発揮することになります。

なお、スピナーベイトやビッグベイトのような空気抵抗の大きなルアーでも遠心ブレーキは扱いにくいと言われますが、ここはキャストの技術でルアーを回らないように投げるなどの工夫でクリアできる部分もあります。

また、そのような状況変化に対してサミングで対応できればライントラブルは回避できますので、全てのコントロールをリールに期待しないようにする、というのも大事な観点かと思います。

最後に、SVSインフィニティのブレーキユニットについては、最近ではサードパーティからの製品も増えていますので、性能や使い易さ、入手のし易さなどで選ぶのも良いかと思います。

少しだけデジタルコントロールにも触れておくと~

さぁ、では最後に第3のブレーキシステムのデジタルコントロールについて、少しだけ触れておきたいと思います。

こちらはシマノが世界に誇るオリジナルのブレーキシステムで、さすがに類似するブレーキシステムはありません。

スプールが回転することで発生する電力を使ってサイドプレートに装着されているマイコンのブレーキユニットを作動させ、スプール回転数を検知しつつ必要なタイミングで必要なブレーキ力を働かせる仕組みになっています。

<引用:ネスブログ

なので、逆風モードやビッグベイト使用など環境影響を踏まえたブレーキパターンから、ナイロンやフロロカーボンなどラインの種類に合わせて必要となるブレーキパターン、そして遠投専用のパターンなど、テストで蓄積したデータから弾き出したブレーキパターンが事前に登録されています。

この設定は決まったものが登録されているものであり、いわゆるAIの機械学習(マシンラーニング)ように、使っていく内に学習するようなものではありません。

基本はバックラッシュが発生する原因となるタイミングで適量のブレーキを掛けるので、誰が投げてもバックラッシュしにくいのが最大のメリットかと思います。

また、デジタルコントロールユニットの世代も進化しており、最新のモデルはiDC-5ですが、内部では使用するラインの種類を選べて、外部でブレーキ力を調整できるようになっており、より様々なシーンに適切に対応できるようマイコンの機能は進化してきています。
※アンタレスDCなどでは、4×8DCが採用されています。

<引用:シマノ公式HP

因みに、ブレーキを効かせる為には電気が必要であり、その為の電気はスプールを回転させることで発生させる(前述のとおり)なので、釣りをする日の最初のキャストは要注意です。
※電気を発生させる為、最初の捨てキャストが必要です

と、ここまで書いてきますと、全くバックラッシュ知らずの魔法のブレーキのように聞こえるかもしれませんが、ノントラブル性にもある程度の限界はあります

特に、飛距離を伸ばそうという意図でブレーキを調整する場合ですが、この場合にはある程度サミング技術を使わないとバックラッシュします。

やはり、『飛距離を伸ばす=ブレーキ力を落とす』、ということになるので、その分ピーキーになりますし、それに伴い人間側での調整能力が必要になります。

初期のエクスセンスDCを購入して使ったと時は、SPモードで投げると飛距離が確保できなくて通常モードをメインで使っていたのですが、DCとしてのブレーキはちゃんとかかるものの、やはりサミングは必須でした。

最後に、リールのコントロールに気を遣わずに釣りができるのがデジタルコントロールの最大のメリットかと思いますが、自分である程度コントロールをするのが釣りの楽しみの一部でもある、という考え方もあります。

釣りをする中で、どこに自分なりの楽しみ方を見出すか?を踏まえつつ選ぶのがデジタルコントロールのリールの選択理由になるかもしれません。

ベイトのブレーキタイプ別考察 まとめ

と言うことで、少し長々と書いてしまいましたが、ベイトリールの補助ブレーキについて、タイプ別の考察でした。

恐らく、ほとんどの方が遠心モデルもマグネットモデルも使われたことがあるかと思いますし、皆さんそれぞれに自分に合う/合わないや、好き/嫌いがあるかと思います。

どちらかが優位性面で秀でていれば、すでに劣っている方が淘汰されていると思いますので、本記事で紹介してきた通りどちらのモデルもメリットがあるブレーキシステムだと思います。

究極の話しをすると自分が好きな方を選べば良い訳ですし、リール選びはブレーキシステムだけが選択肢な訳でもないので、デザインや重さなどいくつかのスペックを見た上で選ばれるものだと思います。

が、敢えてそれぞれの選択理由として挙げるなら、陸っぱりメインで標準的なウェイト(5g未満のフィネスではない)のルアーをフルスイングで使うシーンが多い方は、自分なりのセッティングを煮詰める楽しさも含めて遠心ブレーキが面白いのではないかと思います。

一方で、とにかくライントラブルのストレスから解放されて釣りがしたい方や(バックラッシュしたい人はいないかと思いますが)ボートメインで飛距離を気にする釣りはしない方、そしてトーナメントなどでライントラブル出している場合じゃない釣りがメインの方などは、ストレスフリーなマグネットブレーキタイプが合うかと思います。

SVブーストの登場で、飛距離性能の面は遠心ブレーキと差は無くなってきているかと思いますが、より効率的で精度の高い釣りを展開されたい方はマグネットブレーキが良いのではないかと思います。

因みに、ブレーキシステムではないですが、ダイワのリールを選択した場合、最近ではもれなくラインガイドはTWSがセットになります。

太目のPEラインなどを使った釣りをされる場合、ノットのラインガイドの抜けの良さは明らかにTWSなので、そういった組み合わせを考えると、またリール選びの選択肢もも変わってくるかもしれません。

以上、あくまでも持論ではありますが、各種ブレーキシステムの特徴と、メリット/デメリットについてのご紹介でした。

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