こんにちは!
いつもこちらのブログを読んでいただき有難うございます。
NABRA Chase Fishing GONTA です。
今回はタックルの比較インプレ、【シマノ 21SLX-BFS XG】と【TSURINOYA ダークウルフ KF-50SL】について詳しく比べてみたいと思います。
最近、私のブログの中でもアクセス数が多い記事にダークウルフの記事があります。
メルカリなどで中古を探せば7,000円前後、新品でも11,000円前後で入手できるダークウルフなだけに関心が高いのも当然ですね。
YouTubeでもダークウルフの投稿は非常に多いですね。
基本的な機構が似ていて、20,000円前後のSLX-BFSとどう違うのか?もっと言うと違いが無いのか?
と言うことで、前置きが長くなりましたが、今回はシマノの廉価版ベイトフィネス機の【シマノ SLX-BFS XG】と、中華製の【TSURINOYA ダークウルフ KF-50SL】を同日で使ってみて、感じたことを比較インプレをしてみることにします。
【TSURINOYA ダークウルフ KF-50SL】については、いろいろとご意見がある方も多いかと思いますし、その性能の根源はどこにあるのか?というのを考えると悩ましいところはありますが、完全なコピーリールではないというところについて的を絞って比較してみたいと思います。
この辺り、関心のある方は是非お時間をいただきお付き合い頂ければ幸いです。
そもそもの、ベイトフィネス機の魅力
ベイトフィネスという言葉が出てきてから何年になるでしょうか?
スピニングタックル+PEラインで行うパワーフィネスの逆の発想で、ベイトタックルでフィネスな釣りを行うのがベイトフィネスというスタイルになります。
ベイトフィネスリールについては、私自身も過去にいろいろな機種を使って試してきました。
シマノの遠心ブレーキ機種から、ダイワのマグネットブレーキ、そしてサードパーティのキャリルさんのKTFのチューンドスプールまでかなりの期間と予算を費やしてきました。
具体的にはシマノだとアルデバランBFS、コンクエストBFS。ダイワだと少し古いですがTW-Airの時代から使っていますし、ABUでもALCはメバリングなどでかなり使いました。
過去の記事を見ていただければ、その時々で試したこと(悪戦苦闘)が見て頂けると思います。
大御所の村田基さんに言わせると『必要ない!』と一刀両断されるベイトフィネスであり、確かに不要論も納得するところがあります。
しかし、ベイトフィネス機はスピニングリールでしか扱えなかったリグ・ルアーもベイトタックルで扱えるということで、『個人的に楽しい』ということでこれまでやってきました。
ベイトフィネス機は出始めの頃は、ノーマル機よりもベースとして高性能が求められることから、ハイレンジのリールがほとんどでした。
高価なベイトフィネス機が優秀なのは勿論わかっているのですが、ここ最近では廉価版クラスでベイトフィネスに使える機種が次つぎとリリースされており、ある意味ベイトフィネス機も市民権を得てきたフェーズに入ってきているかと思っています。
そんな環境において、個人的に廉価版モデルの性能検証に重点を置いてきていました。
と言うことで、方や国産の超メジャーであるシマノのリールと、安かろ悪かろだった中華製のリールについて比べてみたいと思います。
ブレーキシステムの比較
ベイトフィネスリールにおいてはブレーキシステムは一番大事と言っても過言ではない部分になると思います。
ブレーキシステムについては、両機種はほぼ同じ仕組みになっています。
いわゆるシマノ製ベイトフィネスリールの売りとしているFTB(フィネス・チューン・ブレーキ)システムが、ぶっちゃけダークウルフにも搭載されています。
この辺りの権利関係の問題は大きな問題かと思いますが、国際法が通用しない国に製造を出せば結果としてこうなる、という話しでしょうか。
基本的なブレーキ構造や仕様は同じですが、細かい点では違いがあります。
サイドプレートの外からブレーキ力を調整できるダイヤルが付いている点までは同じなのですが、ダークウルフの方はダイヤルを回した時にクリック音が出る仕組みになっています。
大きな目安として、ダイヤル表示では5段階ですが、1メモリの間も細かく調整ができるようになっているので、ざっと30段階くらいの調整が可能なのがダークウルフになります。
SLX-BFSの方は、シマノの他のリールのブレーキダイヤルに比べると軽い方かな?とも思いますが、クリック音は無いのでどのくらい回したのか?は目で確認しないとわかりません。
クリック音が出てくれた方がより細かいレベルで調整し易いので、この点ではダークウルフの方に軍配が挙がると思います。
ベイトフィネスリールとしてのスプール比較
ベイトフィネス機の性能に関わる大きなポイントとしてスプールの仕様が挙げられます。
軽いリグやルアーを扱うのがベイトフィネスなので、スプールが持つ慣性力は少しでも小さいことがベイトフィネス機として求められます。
スプールが持つ慣性力がどうやって小さくできるか?は、過去にも記事にしたことがありますので詳しくは過去記事を見て頂きたいのですが、結論としてはスプール総重量を軽くすることと、スプール径を小さくすることで、スプールの慣性力は最小化できます。
これは、最近のベイトフィネス機のスプール径が小口径化していることからも明らかです。
バーサタイルのスプール径として34mm径が基準と言われていて、ベイトフィネス機として謡っているいるリールだと32mm径くらいだったのですが、【ダイワ スティーズ・AIR】など28mmのスプールまで登場してきています。
一般論が長くなりましたが、では、【シマノ 21SLX-BFS XG】と【TSURINOYA ダークウルフ KF-50SL】について具体的に比較していきましょう。
21SLX-BFSは、スプール径が32mmでスプール幅は22mmです。
スプール径については標準的なベイトフィネス機と言えますが、スプール幅はバーサタイル系リール寄りのサイズになります。
※スプール幅は既にラインを巻いてしまっているので、正確に計測できていません
シマノであれば、アンタレスなどが19mm幅のナロースプールを出しているので、22mmは標準的なサイズになります。
ダークウルフについては、スプール径は30mm、スプール幅は約18mmです。
ダイワなどの最先端のベイトフィネス機と比べるとスプール径は大きいと言いつつ、30mmはベイトフィネス機としては十分なスペックかと思います。
且つ、中華製のリールとしては記載スペックに対して正確な作りとなっており、TSURINOYAさんのリールを高く評価する方が多いのもうなずけます。
このように、スプールスペックとしては、ダークウルフの方がベイトフィネス機として突っ込んだ内容となっています。
また、更に細かい違いとしては、ダークウルフはスプール軸にボールベアリングが装着されていますが、21SLX-BFSには付いていません。
この辺りも、操作性や使用感の違いとして出てくるところかと思います。
外からは見えない部分なので、手を抜ける部分ではありますが、必要な箇所には基本的にボールベアリングがセットされているのがダークウルフの評価ポイントかと思います。
重量や筐体関連スペックの比較
次に、筐体そのものについて見ていきます。
ダークウルフは細かい技術特性が全く記載されていないので不明です。
21SLX-BFSについては、上位機種に採用されている技術がかなりふんだんに搭載されています。
合成を確保するHAGANEボディも採用されていますし、巻きの軽快さをもたらしてくれるXシップも搭載されています。
また、最近では搭載されている機種が増えてきたエキサイティングドラグシステムも搭載されていますし、スプールもS3D仕様なので精度面での信頼性が確保されています。
これらの機能について、ダークウルフで見てみると、ボールベアリングは11個搭載されているので、21SLX-BFSよりは可動部における性能は高いと言えます。
また、ドラグ音が鳴る仕様になっているので、ここは21SLX-BFSと同等。
最後に、トータルとしての重量比較ですが、21SLX-BFSは170gで、ダークウルフは135g。
ダークウルフの方が樹脂パーツを多く使っている感じなので、その分軽くなっているかと思います。
ダークウルフは、機能面ではシマノの機能を採用しつつ、ボディ素材やハンドルノブなどもダイワの機能を意識して作られている感じがします。
170gでも十分軽いと思いますが、最近の劇的に軽いベイトフィネスロッドとの相性を考えると、ダークウルフが一歩リードしていると言って過言では無いかと思います。
使用感の比較
最後の比較として、一番のポイントなる使用感になります。
キャスト性能を大きく左右するスプール仕様については、ダークウルフの方が優位であった通り、軽いリグのキャスト性能はダークウルフの方が優れていると感じます。
21SLX-BFSだと、3g台のルアーについてはキャスト直後の立ち上がりが少し重い(遅い)感じを受けますが、ダークウルフはほぼレスポンス問題は感じません。
ブラックバスなどのフィネスであれば、3gを下回るリグを扱うことはほぼ無いので21SLX-BFSで全く問題ないと言えますが、ソルトのライトゲームであれば2gを切るクラスのリグもあるくらいなので、ダークウルフの方が操作性は勝ると言えます。
実際、2g台後半のハゼクランクなどだと、21SLX-BFSは少ししんどい感じで、風などがあるとてきめんにトラブルが出ますが、ダークウルフの方はマグネットブレーキの調整でほぼ回避できることができます。
剛性感については21SLX-BFSの方が高いかと思いますが、実際にリールに負荷の掛かるチニングで使っている範囲においてはダークウルフも剛性不足を感じることはありません。
最後に、使用感面で一番の大きな違いをお伝えします。
それは巻き取り速度になります。
スプール径が小さいダークウルフの方が不利なのですが、更にギア比も21SLX-BFS(XG)が『8.2:1』なのに対してダークウルフの方は『7.1:1』と低いので、ハンドル1回転の巻取り量に差が出てしまいます。
21SLX-BFS(XG)はシマノの公示で63cmですが、ダークウルフは公示されていない中で自分で計測したところ約55cmとなります。
この差は、ブラックバスのフィネススタイルの釣り(手返し重視)ではかなりダークウルフが不利となりますが、逆にハゼクランクなどの巻き物の釣りでは意識しなくてもちょうど良い速度でクランクが巻けるので助かります。
ここは、どちらかが絶対に強いという評価ではなく、どんな釣りに使うか?で相性の良しあしが出てくるところかと思います。
最後に、SLX-BFSとの比較ではありませんが、【シマノ 22アルデバランBFS】との比較インプレをアップされているフロランさんの動画を紹介しておきたいと思います。
値段にして3倍近く差がある22アルデバランですが、絶対的な優位性は巻き心地くらいという面白い評価結果が出ています。
まとめ
と言うことで、ようやくですが21SLX-BFSと中華製リールのダークウルフの比較検証の記事を書いてみました。
故障した時の保証など、いろいろな面で国産リールの方が安心できるのは間違いありませんが、ここ最近の国産釣り具の価格高騰を考えると、海外製でも性能の良いアイテムは取り入れない手は無いかと思っています。
ダークウルフも最初は若干の疑いの目を持って購入したのですが、かなりの期間使ってみたので、今なら『自信をもっておススメできるリール』と言えます。
中華製の格安リールは性能・品質がメーカーによってバラバラで、スペックなどもウソばかりのリールなども山ほどあるのですが、TSURINOYAさんのように安定して信頼できるスペックの製品を届けてくれる企業も今後は増えてくるのではないかと思って見ています。
ある意味、日本の釣り具メーカーとも良い意味で競争されるようになれば、使い手側としてはより適正価格で入手できるのではないかと感じる今日この頃です。
まぁ、その為には、特許を含む技術面は正しく保護されることが必要かとは思いますが。